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420馬力を発揮する大人のドリフトワゴン!
実用型チューンドベースとしては最強か!?
かつては日本を代表する最高級車であったトヨタクラウン。その11代目となる、S170系をベースとするワゴンモデルがクラウンエステートだ。その中にはセダンモデル同様FRレイアウトに1JZ-GTEを搭載するアスリートV(JZS171W)というモデルが存在する。そのため、チューンドベースとしても大いなる可能性を秘めた車種なのだ。
「プラットフォームは110系マークIIと共通だから、パーツやチューニングメニューは豊富。広大なカーゴスペースには山ほどタイヤが積めるし、装備や内装の質感は抜群。しかもJZX110に比べて中古相場は安価なんだから、注目すべきベース車の1台だと思いますよ!」というのは、“カーメイク・ラスティー”の有田代表だ。
実際にラスティーではこれまでに多くのJZS171系のチューニングを手がけてきたが、今回ピックアップしたのはドリフト仕様。意外なことにセダンよりもリヤヘビーなエステートは、セッティングのツボさえ押さえればトラクションがかかるので、ドリフトにピッタリの特性だというのだ。
エンジンは東名ARMS M8280タービンと、HKS GTS7040スーパーチャージャーを組み合わせたラスティーオリジナルのツインチャージャー仕様。ポン付けタービン仕様からのステップアップメニューとして開発したシステムは最高出力420ps/62kgmを発揮し、排気量アップに匹敵する低速トルクが魅力。ドリフトはもちろん、タイムアタックや街乗りまで、あらゆるステージで速さと乗りやすさを獲得できる。
ちなみに、ツインチャージャー仕様のセットアップでキモとなるのがブースト圧の制御。そこで、M8280タービンはアクチュエーターをキャンセルしてウエストゲートによる制御に変更している。
JZX110系世代に搭載される1JZ-GTEチューンでネックとなる電子式スロットルは、JZX100用の機械式スロットルに変更して対策。制御はF-CON Vプロ3.4(エアフロレス制御)だ。
インタークーラーはトラストのスペックLSだが、ポン付けタービン仕様で装着していたものに不都合がなければツインチャージャー仕様でもそのまま使える。上部に確認できるオイルクーラーは、スーパーチャージャーのトラクションオイル用だ。
そして、ミッションはラスティーお得意のAT→MT換装。専用ブラケットによるクラッチペダルやシフト位置には違和感も皆無で、5速MTのドライビングプレジャーをクラウンで味わえるのが楽しい。ロック率が高い機械式LSDとの組み合わせで迫力のドリフトが可能になるのだ。
足回りチューンは独特だ。有田代表は定期的にこのクルマでドリフト走行会に参加するため、ロアアームを延長した上でヘイメン製のショートナックルを投入。ドリフト仕様には欠かすことのできない切れ角アップを実行しているのだ。
「意外性のあるベース車選びというのもチューニングの醍醐味のひとつ。ワゴンボディは、重量面のハンデが若干あることを除けば問題は全くありません。サーキット仕様も作りましたが、そちらもなかなかの実力で、ワゴン車となめてかかると痛い目をみますよ」と、有田代表はニヤリと笑う。
●取材協力:カーメイク・ラスティー 千葉県白井市冨士51-4 TEL:047-441-6226
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