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L28改3.1Lの強心臓を超快適に楽しめるトップビルダーの技
機能・ルックスともに今の時代をリードするために開発
“復活製作販売”をキーワードに、どこにも負けない本格的レストアとL型エンジンチューンに徹底的に拘ってきた老舗“スターロード”。高い技術を持つ職人が時間を費やして仕上げた車両は、アンダーフロアはもちろんパネルの内側まで一点の曇りもなく、走る芸術品といっても過言ではないほどだ。
一方で“快適に乗れる旧車”ということも追求し、電送系やサスペンションなどには多くのオリジナルパーツを製作。コンサバティブでありながらも、今の時代にマッチした実用性のある旧車を多く手掛けてきた。ちなみに、これまで仕上げられた車両の多くは“定番+α”で魅力を引き出す方向のものが大多数だ。
しかし、今回紹介するS30Zはこれまでのスターロードのスタイルとは少し違う。言うなれば、新境地を開拓すべく思い切り新しいスタイルメイクに挑戦した意欲作。細部を見ていこう。
光り輝くエンジンは、85mmストロークのクランクを使ったL28改3.2Lフルチューン仕様。NAながらパワーは350psを超えるというから恐れ入る。キャブレターはソレックスの50φ、各パーツをメッキやバフで仕上げ、魅せることも意識している。
駆動系にはORCのツインプレートクラッチを介し、ミッションはダブルコーンシンクロが採用されたスカイライン系のFS5W71C型を換装。デフは定番のR200流用にニスモのLSD、等速タイプのドライブシャフトでパワーアップに対応している。40年以上前のフェアレディZに対し、各部をアップデートしつつ強化、節度感のあるドライブトレインを備えているのだ。
細かい部分も手は抜かない。ハーネス類は再製作し、ヒューズは当時のガラス管タイプから平形へと変更するなど、メンテナンス性を向上させている。
サスペンションはスターロードオリジナル車高調(F8kg/mm R6kg/mm)。ブレーキはオリジナルのキットを用いてフロントにGT-R用ブレンボを、リヤにS14シルビア用の純正キャリパーをそれぞれ流用し、制動力の強化を図っている。
ホイールはワークのエクイップ03のカスタムカラー(ブロンズリム)。サイズはフロントが8.5J×15-22、リヤが9.5J×15-35だ。
スタイリングは、定番をベースにしつつ、最新のチューニングトレンドを取り込んで近未来的にメイキング。プロジェクターランプはメルセデスのプレミアムSUVであるGクラスからの移植だ。各部灯火類はLEDを多用して仕上げられる。
リップ一体型のフロントバンパーは、ダウンフォースを効果的に増強しつつ大型ダクトからフレッシュエアを大量に投入。高速走行時に効果を発揮する本格的な空力パーツだ。
エアロミラーはスプーンのS2000用をチョイス。ボディに対して大きすぎたため、加工して小型化していたりもする。
インテリアは、時代を感じさせるデザインながらも古さを感じさせない極上のコンディション。ステアリングハンドルはMOMOのジェット350φ、メーターはデフィ製に置き換えられている。
スピードメーターはカスタムメイドのワンオフで、デフィのリンク式メーターに合わせ透過式のパネルを仕込み、ホワイトLED照明で仕上げている。
シートはレカロのリクライニング式バケットを装備。大人のチューンドを意識してフルレザー仕様としているのがポイントだ。
助手席に確認できる物体はスターロードオリジナルのR134タイプクーラーキット。フェアレディZやハコスカ、ケンメリといった車種に向けたアイテムで、風量調整3段切替え温度調節ボリューム付きだ。
また、操作系には現行の電動式パワーステアリングを組み込んで操作性を向上。今時のスポーツカーと遜色ない快適なチューンド旧車を作り上げている。
単純に当時のフルチューンスペックを再現するのではなく、現行車との走りにも十分通用する高いクオリティ。まさに最新の旧車と呼ぶのに相応しいものだ。
●取材協力:スターロード 東京都江戸川区北小岩8-23-1 TEL:03-5668-5675
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