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強靭なボディに快適なエンジン! 安心して乗れるセレブコンプリート
旧車を現代で乗るためのチューニング
S30Zと言ってもそのモデル編成はかなり幅広く、レース仕様として開発されたS20ツインカムユニット搭載車のZ432を筆頭に、排気量をアップしてGノーズと呼ばれるロングノーズスポイラーを装着した240ZG(L型2400cc)、輸出仕様のL型2600、2800cc搭載モデルなどが存在する。とはいえ、国内モデルの中心を占めるのはL20エンジンの搭載モデルだ。
ここで紹介する車両は、そんなS30Zをベースに愛知県の“ロッキーオート”が「当時、憧れていた」という世代に向けて提案している、RB25DEエンジン搭載のコンプリートモデルとなる。
その特徴は、時間やコストを省みずにフルレストアし、大幅なボディ補強を行って現在の交通事情にマッチするように仕上げていること。
ちなみに、ロッキーオートがやみくもにパワーアップに走らず、RB25DEという決してハイパフォーマンスとは呼べないエンジンをユーザーに薦めるのは理由がある。それは、「シャシーや乗り手がパワーに負けると楽しいはずのカーライフが楽しくなくなってしまう」というケースが多いからだ。
実際に、車重1000キロ程度のボディなのでNAチューンのRB25エンジンでも驚くほど軽快な走りを楽しませてくれる。なお、エンジン本体はノーマルではなく、吸気系にはRB26DETT用の純正6連スロットルをインマニ加工でインストール。排気系には完全等長のEXマニを組み、ハイレスポンスな240psを創出している。
制御系は信頼性の高いF-CON Vプロを採用。燃調や点火時期、可変バルタイまで綿密にコントロールしている。240psと聞くと大したことないように感じるが、L型の3.0Lチューンと同等と考えて良いだろう。
一方の足回りは、アラゴスタベースのロッキーオートオリジナル車高調を軸に構築。アームも見直され、ストリートに最適な乗り心地と路面追従性能を手に入れている。
ブレーキには前後を15インチローター化した上で、R32キャリパーやR33ブレーキマスター等を流用。パワーアップに伴い、根本からストッピングパワーを強化している。
室内はスパルタンなイメージだ。劣化して割れやすいダッシュボードは、カーボン製のダッシュカバーでリフレッシュ兼イメージチェンジ。ステアリングはナルディクラシックだ。
エクステリアからは想像しにくいが、R33型スカイライン用のオートエアコンも装備されている。レストア時にバルクヘッドを加工して自然に見えるよう装着しているのだ。
さらに快適性を徹底追及し、ステアリングシャフトを改造して電動パワステを装着。電動タイプは省スペース設計で油圧タイプに比べてパワーロスも最低限だ。
エアコンはバッチリ作動し、ステアリングもパワステのおかげで子供でも楽に回せるレベル。旧車好きはストックのエンジンに拘る人も多いが、40年以上前のモデルとは思えない快適性と鋭く吹け上がる直6の走りを体感すると、これはこれでアリかも…と思うはず。それほどまでに違和感がないのだ。興味あるユーザーは、一度ロッキーオートを訪れてみてはいかがだろうか。
●取材協力:ロッキーオート 愛知県岡崎市小美町字殿街道153 TEL:0564-66-5488
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