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IHI製RHF5タービンにブースト1.9キロをかけて158馬力を発揮!
コペンチューンの雄が最高速アタックに挑む
コペンチューニングを得意とする“も。ファク”。ショップ名は森本ファクトリーを短縮したコミカルなものだが、チューニングに対しては超本気。デモカーのL880K改は、2.0Lターボクラスでも難しいセントラルサーキット1分23秒362をマークし、軽自動車コースレコードを奪取したほどだ。
パワー系に関しては、過去には280ps仕様を開発した経験もあり、その裏ではもちろん多くのトラブルやブローに遭遇。その苦い経験を元にトライ&トライを繰り返しながらチューニングのレベルを引き上げてきたのだ。
そんな同社が手がけたコペンGRスポーツも、過激の一言。3気筒ターボのKF型エンジンは、オリジナルの鋳造ピストン&キャリロH断面コンロッド、そして2mm厚の強化スリーブを打ち込むことで150馬力オーバーを許容できる強靭な腰下を創出。ヘッドにはキャドカーズコラボの255度ハイカムを投入し、高回転域のパワー追従性能を引き上げる。
キーとなるタービンは、3.0Lクラス対応のIHI製RHF5をインストール。660㏄+αではピーキーな出力特性になりそうなサイズだが、ハイカムとF-CON Vプロによる綿密なセッティングにより中速域から胸のすく加速を味わえる特性を実現。最高出力はブース1.9キロ時に158ps、ノーマルに対して2.5倍の出力を発生させているのだ。
クーリングチューンも徹底的で、インタークーラーはトラストのコアを使用しながらサイドタンクやパイピングをワンオフで製作。ラジエターもサブを追加することで、水量をアップして冷却効果を高めている。
トランクに装着されたスポイラーは、リバティウォーク製で小ぶりながらも存在感を発揮。左右2本出しのマフラーはメインパイプ60φのオリジナルで、上流部のフロントパイプも60φとしている。
サスペンションはCRUXをベースにオリジナルセッティングした車高調を装備。スプリングにはHAL製を組み合わせる。スプリングレートはフロント12kg/mm、リヤ14kg/mmと、かなり硬めだ。
ホイールはボルクレーシングTE37ソニックSL(16×7J)で、タイヤにはアドバンA052(195/45-16)をセット。ブレーキはフロントがウィルウッド製オリジナルキャリパー&ローター、リヤがアルフィンドラムという構成だ。
室内には、安全性と剛性を確保するためサイトウロールケージ製のロールケージを追加。メーターはデフィのスポーツディスプレイで車両情報を集中管理する。
エクステリアは、TRDリップスポイラーにオリジナルボンネットとDスポーツサイドステップをミックスする。
高速周回路で行ったテスト(ドライバー:飯田章選手)の結果は衝撃的。0〜50キロ加速:4秒61(純正4秒70)、0〜100キロ加速:9秒24(純正15秒47)と、50km/hまでの加速こそノーマルと差は少ないが、0-100km/h加速になると一気に5秒近くの差が開き、そのまま211.05キロまで最高速を伸ばしたのである。
専門店ならではのノウハウと的確なチューニングによって、見事に軽自動車ベースで200キロの大台を突破してみせた“も。ファク”コペンGRスポーツ。まさに怪物だ。
●取材協力:も。ファク 兵庫県川西市東畦野2-1-8 TEL:072-791-5559
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