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現代のフルレストアで新車以上のフィーリングを実現!
心臓部は380馬力のL28改3.2Lメカチューンユニット
旧車チューニングを牽引する老舗“スターロード”。高い技術を持つ職人が時間をかけて仕上げた車両は、アンダーフロアはもちろんパネルの内側まで一点の曇りもなく、走る芸術品といっても過言ではないほどだ。
今回紹介するS30Zは、そんなスターロードの代表である井上さんの相棒。チューナーが思い描く“理想のサンマル”を具現化した作品に他ならない。
光り輝くエンジンは、89φ鍛造ピストン、I断面ナローコンロッド、86mmストロークのフルカウンタークランクを組み込んだL28改3.2Lフルチューン仕様。NAながら最高出力は380psに達しているというから恐れ入る。
「実は、同じL型を積むハコスカと比べても、Zの方が動力性能は高いんです。これは駆動系やサスペンション設計の違いなんでしょうね。エンジンだけでいっても、サンマルの方が排気管の長さやレイアウトの自由度も高いので、似たような仕様のエンジンでも、20〜30psはパワーが引き出せる傾向にあります」とは井上代表。
キャブレターはφ50ソレックスで、フューエルデリバリーも美しく作り込まれる。排気系はステンレス製の等長タコ足や80φマフラーが装着されており、回転を高めれば高めるほど官能的で刺激的なサウンドが楽しめる。
オリジナルホイールのグロースターは前後とも15インチでフロント9Jマイナス53、リヤ12Jマイナス60という超ディープリム仕様。これに合わせて製作したというオーバーフェンダーにより、全幅は1860mmまで拡大される。
サスペンションはスターロードオリジナル車高調(F8kg/mm R6kg/mm)。ブレーキはオリジナルのキットを用いてフロントにR32スカイライン用、リヤにS14シルビア用の純正キャリパーを流用しつつ、ビッグキャリパー化を行うことで制動力の強化を図る。
ノーマルでも車重は約1トンという軽さを誇るS30Zだが、取材車両はそこからさらに軽量化と補強を行い、レーシーな室内空間を実現。ミッションはRB用の71Cというタイプで、デフキャリアはR200。40kgmのトルクを許容する駆動系を構築しているのだ。
エクステリアはスターロードのフルキットで武装。バンパーレス風の一体型リヤエプロンは、燃料タンクを覆うような形状のデザインが拘りだ。
「小学生の頃、近所の解体屋の親父がサンマルを持っていて、よく乗せてくれたんです。で、将来は絶対にコレに乗ると決めていました。大人になって色んなクルマに乗ったけど、やっぱりサンマルは特別な存在。ずっと所有し続けていきたいですね」。
多くのS30Zオーナー達から支持されるスターロードのチューニング魂には、井上代表が幼い頃から抱き続けている熱い思いが秘められているというわけだ。
●取材協力:スターロード 東京都江戸川区北小岩8-23-1 TEL:03-5668-5675
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