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お手頃なタービン交換仕様の限界性能を徹底チェック!
スタビリティを高めるボディキットを武器に高速周回路を駆け抜ける
“日本一のエスロク”を目指し、パンドラとHKSテクニカルファクトリーがタッグを組んで製作したS660の登場だ。
東京オートサロン2017で、軽自動車/コンパクトカー部門の優秀賞に輝いた実績を持つチューンドだが、今回はその実力を探るために高速周回路での最高速アタックを敢行した。
心臓部は、レーシングサクションやメタルキャタライザーで吸排気環境を整えた上、GT100Rタービンキットを装着。フラッシュエディター(フェイズ3)により現車合わせを行い、最大ブースト圧1.4キロ時に約100psを発揮する。
インテークにはタービン保護にも繋がるHKSのスーパーSQVを装備。アクセルを抜くと軽快なブローオフサウンドが味わえる。なお、これらのエンジンチューニングは、全てHKSテクニカルファクトリーが担当している。
室内は万が一の事態に備え、ダッシュボード逃げタイプのロールケージをセット。愛車のコンディションはデフィのアドバンスZDで把握する。今回のアタックでも、水温や吸気温度は適温内に収まっていることが確認できた。
スーパーGTのNSXを彷彿とさせるカーボンのシュノーケルは、パンドラのオリジナル。ここから導入されたフレッシュエアは純正インタークーラーへとダイレクトに導かれる。パワーダウンが著しい夏場でも威力を発揮するアイテムだ。
アグレッシブなフロントバンパーおよびダクト付きのカーボンボンネットもパンドラの製品だ。バンパーはグリル一体型デザインとすることで開口部面積を稼ぎ、ラジエターへの導風効果を高める。
S660専用設計の美しいオーバーフェンダー(F片側35mm R片側45mm)も開発。これによって、フロント195/50&リヤ205/50の15インチタイヤを無理なくインストールすることが可能となる。ホイールはディープ感が好評のスタンスマジック#080をチョイス。
カーボン製のGTウイングは、より車体後方にマウントしてダウンフォースの増強を狙う。そのための台座や専用ステーも新たに製作した。カーボンのエンジンフードは、重量が増えがちなリヤ周りの軽量化を実現する。
このチューンドS660を高速周回路で走らせた稲田大二郎は「ブースト圧も安定していて、全域でトルクフルな特性に仕上がっている。足回りが決まっている上に空力パーツも効いていて、高速域でも安定していて不安なくアクセルを踏み込める。さすがに6速に入れると加速は鈍るけど、ギヤ比次第では最高速はもっと伸びるね」と評価。
速さは数値にも現れており、0-100km/h加速はノーマルから2秒近く速い11秒34(ノーマル:13秒19)をマークし、そのまま182.79kmまで加速を続けたのだ。
ツボを押さえたトータルチューンにより、660ccとは思えないほどの戦闘力を手にしたパンドラ&HKSテクニカルファクトラーのS660。タービン交換ということで決してライトな仕様ではないものの、ユーザーカーのお手本となるスペックと言えるだろう。
●取材協力:パンドラ TEL:048-798-0397
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