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身体にハンデを抱えたオーナーの依頼で製作!
老舗プライムガレージがイージードライブ可能なBNR32を形に
福岡県北九州市に店舗を構える老舗チューニングショップの“プライムガレージ”。今回紹介するBNR32は、そんな同社が左腕にハンデを抱えたオーナーのために製作した、AT仕様のBNR32だ。
AT本体は、R32タイプM系の4WDモデル“GTS-4”に搭載されていたものと同型のRE4R018だが、この車両に搭載されているのはWGNC34ステージアからの流用だったりする。これは車両オーナーが望んだパドルシフトでの操作(システム名称:デュアルマチックM-ATx)を叶えるための策だ。
ミッション本体はシュヴェーレンでオーバーホール&強化され、チューンドRB26DETTのパワーとトルクにも対応。バルブボディの変更や、油圧アップが施されているが、低速走行時は油圧を落とす制御を入れるなど、街乗り領域でも違和感の無い走りを実現してくれる。
ステージアのATコントロールユニットはメインECUに内蔵されるため、エンジンハーネスごとの完全移植を実施。このメニューを観光するために、ドナーとしてステージア25RS-FOUR Vを丸ごと一台用意したというから恐れ入る。
エンジンは強化ATとのマッチングを図った仕様で、GT2510タービン×2で450psを発揮。カムもIN/EX256度のHKS製を装着し、ハイレスポンスなフィーリングに仕上げられている。マネージメントは、ステージア純正ECUと合わせて装着されているF-CON Vプロにて不足箇所を補う形で行われている。
足回りはHKS最新のハイパーマックスS(F10kg/mm R8kg/mm)でセットアップ。ブレーキはアフターのブレンボがセットされる。AT車はMT車に比べるとエンジンブレーキが効きにくいため、ストッピングパワーの強化は安心感を高めてくれるためのマストポイントだ。
室内はストリート然とした仕上がり。限定のレカロSR-7クラシックとパーソナルのステアリングでドラポジを最適化。もちろんエアコンを始めとする快適装備はフル搭載だ。
一方のリヤは5点式ロールケージでボディ剛性を高め、リヤシートは撤去した上でガレージアクティブのリヤシートレスキットを導入する。
「このクルマのオーナーは事情があってAT化に踏み切ったわけですが、AT限定免許のクルマ好きも増えている現代ではアリな選択肢だと思います。パドルシフト付きATなのでワインディングで積極的なギヤチェンジを楽しむコントロールも可能ですよ。」とは製作者のプライムガレージ殿川さん。
左腕が不自由なオーナーの願いを、高い技術力で叶えたプライムガレージ。もちろんフル公認車両であり、製作から3年経った現在までトラブルフリーというから、その完成度の高さは本物だ。
●プライムガレージ 福岡県北九州市小倉南区葛原東3-3-5 TEL:093-473-2338
【関連リンク】
プライムガレージ
http://www.prime-garage.com