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リフレッシュ時に大幅イメチェン!
カプチ改ヨタハチの名は“ヨタ・チーノ”!?
真正面からの眺めは、往年の名車“ヨタハチ(トヨタスポーツ800)”にしか見えないこの車両。しかし、その実はスズキのカプチーノ(EA21R)。フロントセクション一式を“タッドプロジェクト”から限定発売された「ヨタチーノ」キットに交換されたカスタム仕様なのだ。
オーナーの入江さんは、初めての愛車として約10年前にカプチーノを親戚から譲り受けた。以来、片道40kmの通勤に使用しながら大切に乗り続けていたそうだが、近年は経年劣化やヤレが目立ち始め、「そろそろ大掛かりなメンテ&リフレッシュを!」とプランニングしていた時に、インターネットで発見したヨタチーノキットに一目惚れ。ボディのリフレッシュと合わせ、一大イメチェン作戦を敢行することとなった。
リヤセクションはカプチーノそのままだが、バンパーはエリートSPLのショートタイプに変更済み。デザイン性だけでなく、ヨタチーノキットの装着に伴う全長の延長幅を抑えるための策でもある。「ヨタチーノキットを組むと、カプチーノ純正リヤバンパーのままでは寸法が軽自動車枠を超えてしまうんです」と入江さん。
ヨタハチらしさに拘り、ボンネットの開閉はカプチーノとは逆方向のチルト式へとリメイク。バルクヘッド側にはフードを固定するストライカーを設置するスペースが無いため、クイックリリースタイプのボンネットピンを使用したそうだ。
内装はノーマル然とした仕上がりだ。ステアリングやシフトレバーは暫定仕様で、今後は表皮を張り直した純正品に戻す予定。また、カプチーノはEA11RからEA21Rへのマイナーチェンジ時に、ステアリングコラムのテレスコピック機構が省略されたが、この車両はドラポジの自由度を求めて、11R用のステアリング周りを移植していたりする。
モチーフは“ヨタハチの後期モデル”ということで、フェンダー先端部にはマーカーを追加。「厳密には後期だとフロントグリルの横バーは繋がったデザインになるのですが…そこは見逃してください(笑)」と入江さん。
ヴィンテージ感を追求し、ナポレオンのバッカミラーやリプロダクト品のエンブレムを導入しているのもポイントだ。
このカプチーノの完成度の高さに磨きをかけているのが、トータルメイキングを担当したプロショップ“ピューパ”によるリフレッシュ術。錆対策や腐食部分の切除、鈑金など、隅々まで入念な修復作業が行われている。
その内容は完全にレストアレベルなのだが、ピューパ白澤代表いわく「我々はレストアという言葉はスポット溶接まで剥がし、全バラの状態から手入れし組み立て直すことと考えます。ですから、このクルマの作業は場合はあくまで“リフレッシュ”の範疇ですね」とのこと。
パワーチューニングも抜かりなく、心臓部はファイターエンジニアリングのクラフトマン「タフ」仕様のK6Aを搭載。タービンもピューパのハイフロータイプが与えられ、胸のすく加速フィールが楽しめる仕様へとアップデート済みだ。
オンリーワンの存在感を放つカプチーノ。それは、オーナーの情熱とピューパの技術力が作り上げた、スーパーチューンドと呼ぶに相応しい存在だ。
●取材協力:トイガレージ・ピューパ 福岡県糸島市荻浦3-2-14 TEL:092-335-3366
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トイガレージ・ピューパ
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