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リフレッシュ+αの改造で耐久性抜群の530馬力仕様へ!
10年以上トラブルフリーの休日サーキット仕様
初期型はすでに30年選手となったBNR32。各部の老朽化が進んだ個体が多いのは言うまでもない。宮城県の“ゼスティー”で長年メンテナンスを行っているというこのGT-Rは、そうした現実と向き合ってリフレッシュ&チューニングを敢行した1台だ。
ヘッドカバーにチェッカーフラッグを描いたRB26ユニットは、排気量を変えずに強化パーツを組み込んだ純正ストローク仕様だ。
ビーレーシングの鍛造ピストンやHKSの強化コンロッド&フルカウンタークランクを投入することで、8500rpmを常用できる仕様に仕上げられている。組み上げられてから10年以上サーキット走行に使用しているそうだが、トラブルフリーとのこと。
タービンには、メタル軸受けを採用するトラストT78-33Dをチョイス。耐久性を考慮して最大ブースト圧は1.3キロに設定しているが、それでも最高出力は530ps/52kgmに達している。
その他、トラストの大容量サージタンクやARCの前置きインタークーラーなど、吟味したパーツを装着する。
ボディを傷めないよう、ラジアルタイヤ主義を貫くこのマシン。テスト的に導入したナンカンNS-2Rは、エンジョイレベルでは全く不満の出ないグリップ力だという。ホイールは、定番のボルクレーシングTE37(9.5J×18+35)を履く。
車高調にはオーリンズPCVをセット。バネレートはフロント12kg/mm、リヤが10kg/mmと、サーキット仕様としては柔らかめだが、これもボディへのダメージを配慮してのセッティングだ。LSDはフロント1.5ウェイ、リヤ2ウェイを組んでいる。
ロールケージは、安全面まで配慮してダッシュボード貫通式をチョイス。デフィの追加メーターを3連マウントするなど、愛車のコンディション管理にも気を使う。ミッションはOS技研のクロス。シートはドライバーズシートのみというスパルタンな仕様だ。
ホームコースであるSUGOの最終コーナーは、勾配があってアクセル全開時間も長いためにオイルや燃料が片寄りやすい。その対策として、このBNR32はオイルパンを容量アップした上でバッフルプレートを追加。さらに、燃料を安定的に供給するためのコレクタータンクを追加するなど、細部までキッチリとサーキット対策が施されているのだ。
「値段は張るけど性能や耐久性は間違いない。そんなパーツを厳選しています。高回転型でパワーバンドは狭いですが、そのネガ要素はクロスミッションで払拭。ストレスなく走れる仕様に仕上げました」とは、製作を担当したゼスティーの岩崎代表。
一切の不安がなく、楽しくサーキットを走れるハイスペック。これが、今や旧車となったBNR32チューニングにおける最適解なのかもしれない。
●取材協力:ゼスティー 宮城県宮城郡利府町神谷沢字塚元63-1 TEL:022-396-0411
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