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T51Rタービン+GTスーパーチャージャーの直列ツイン仕様!
ビッグシングルターボを低回転から過給させるモンスター
アクセルペダルをブリッピングするだけで、ブーストが正圧になるビックシングルのハイパワーターボが存在するとしたら…。そんなドリームチューニングを実現したのが、千葉県の老舗チューニングショップ“J&K”だ。
ここで紹介するJZA80型スープラは、HKSのGTスーパーチャージャーとターボチャージャーを直列配置したツインチャージシステムで仕上げられたチューンドだ。
元々、心臓部はHKS87φピストンやJUNの280度カムをセットした2JZエンジンに“T51R kaiタービンを組み合わせた強化オートマ仕様だったのだが、高速域での速さと引き替えにスタート域ではタクシーにも負けてしまう加速力の鈍さが悩みの種だった。
排気量を高める構想もあったが、ここからさらにエンジン内部に手を入れるとなるとコストがかさむ。そこで、エンジン本体には変更を加えることなくツインチャージャー仕様へと発展させることになった。
組み込んだスーパーチャージャーはGTS8550と、HKSの販売する最大サイズ。さらに大型タービンとシンクロさせるため、スーパーチャージャー側のプーリーは最小の80mmをセレクト。これにより、3500rpmで1.1キロまでブーストを立ち上げ、レスポンスを向上させることに成功した。
また、中間域以降はタービン前のブースト圧が上がり過ぎるためリサキュレーションバルブを設け、過給を循環させてエンジンを保護。ちなみに、この状態でもノーマルタービン仕様を遥かに超える低速域からの加速力を得ているという。
もちろん、高回転域ではT51RKaiが本領を発揮し、1.7キロというブースト圧で750psのターボパワーが炸裂! しかもトルク変動が少なくスムーズに加速するため、気がつくととんでもないスピードレンジに達しているというハイパフォーマンススペックに仕上がっている。
なお、低速から強烈なトルクが立ち上がるためにオートマは強化されているが、それでもトラブルを防止するべくセレクターレバーはマニュアルで操作するようにしているとのこと。いくら強化しようとも、750psはオートマの限界に近いのだ。
剛性アップも余念なく、ハッチバック特有のリヤ周辺の剛性不足を解決するために、トランクスルータイプのロールケージをインストール。
高速走行でも厳しいが、サーキット走行時にトラクション性能を安定させるためにデフオイルクーラーを装備。フラットパネルもドライカーボンで製作するなど凝ったアンダーフロアとなっている。
その他、ボデイ補強やATFクーラーなど、増強したパワーを使いきれるようにトータルチューンを敢行。オートマだからこそのシームレスな加速も相まって、あらゆるステージで強烈な速さを体感できるスーパーチューンドへと進化したのである。
●取材協力:J&K 千葉県山武郡九十九里町真亀629 TEL:0475-76-2714
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