「名将の技術力が注がれた至極のBNR34」2.8L+小径ツインターボで超レスポンスの560馬力を創出!

どこからでも立ち上がるパワーと絶対的な耐久性を追求!

カンサイサービス至極のRB28+GT-SSツイン仕様

同じエンジンでも、目指す方向性によって様々なアプローチのチューニングが存在する。例えばタービン交換する場合。大きなタービンを組んでピークパワーを重視するか、それとも小さなタービンにしてピックアップ重視でいくか。

このGT-Rは完全に後者のパターンだ。オーナーが狙った特性は「ストリートをストレスなく走れ、どこから踏んでも俊敏に追従するパワー」。さらにサーキット走行も行うため「高い耐久性と信頼性もほしい」という条件がついた。

老舗“カンサイサービス”が出した回答は、2.8L+GT-SSタービンという仕様だった。腰下を組み直して2.8Lに排気量を拡大、さらにヘッドもハイカムの投入を軸にキッチリと手を入れて、1000psクラスの大型タービンを回せるスペックへとエンジン本体を強化。そこに、あえて純正+αの風量であるGT-SSを組み合わせることで、ターボラグを全く感じさせず、低速からトルクが湧き上がるパワーフィールにアレンジしたのだ。

700psだの800psだのといったピークの数字に惑わされず、「いつでも裏切ることなくきちんと発揮する560ps」を選ぶスタンス。このあたりが、ストリート仕様に対するカンサイ流の答えであり攻略術と言うわけだ。

出力は狙い通り。これはほぼ同じ仕様のエンジンに、GT-SSツイン(赤)とTO4Zシングル(青)を装着した時の比較データ。GT-SSタービン仕様の場合、ピークパワーでは約100psほど低いが、3000rpmから5000rpmでは最大約100ps勝っており、その特性の違いはまさに一目瞭然だ。

一方、エクステリアはオーナーの拘りでほぼノーマルとなり、パッと見ではチューニングカーにさえ見えない。唯一判断できるのは、カンサイサービスのチタンマフラーとディフューザーが装着されていることくらいだ。

サスペンションは、HKSハイパーマックスをベースにしたカンサイスペックを装着。パワーアップに伴ってブレーキも強化されており、フロントがブレンボの8ポット、リアがF360キャリパーをセレクト。以前はフロントのみ6ポットのキャリパーを組んでいたそうだが「前後のバランスが悪く性能を発揮できなかった」ということで、仕様変更したそうだ。

オーナーは、思い描いていた通りの特性に大満足。タービン交換となるとピークパワーばかりに目がいきがちだが、こういった低回転からトルクフルでなおかつ耐久性を重視した仕様は、実際は速くて乗っていて楽しいものなのだ。

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●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126

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