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ハズシ系スポーツ4駆モデルの頂点!
足回りまで専用設計のスペシャルモデル!
その名の通り“進化”と呼ぶに相応しい、メーカー純正スペシャルモデルの三菱エボリューションシリーズ。代表格となるランサーエボリューションは4世代に渡るベース車から計11モデル(エボ6.5含む)がリリースされたのに対して、ここで紹介するパジェロエボリューションは1代限りで国内限定販売という希少モデル。生産台数はわずか約2700台と言われている。
パジェロエボリューションがリリースされたのは1998年。三菱では初代が発売された翌1983年からパジェロでパリ~ダカールラリーに参戦し続けていたが、4回目の総合優勝を飾った97年でレギュレーションが変更。98年から市販車改造クラス(T2)に参戦するために開発されたのが、パジェロエボリューションだった。
ベースになっているのは2代目パジェロのショートボディメタルトップワイドのV25W。パジェロエボリューションではワイド化したエアロスタイルに目が行くが、変更点はそれだけじゃない。
足回りはワイドトレッド化が図られると同時に、リヤサス形式を3リンクリジッド式からマルチリンク式に変更。ダブルウイッシュボーン式のフロントサスには鍛造アームが奢られて、専用の4輪独立懸架(ARMIE)が与えられているのだ。
そしてダクト付きのボンネットの下に収まるのは、専用設計となる自然吸気3.5L V6DOHCで可変カム、可変バルタイ&リフト機構MIVEC付きの6G74型。中空吸気バルブやチタンバルブスプリングリテーナー、ナトリウム封入排気バルブなどエンジンパーツも特別仕様だ。最高出力280ps&最大トルク35.5kgを誇り、約2tのボディを加速させるには十分。
ミッションは5速MTと5速AT(INVECS-II)が用意されていたが、5速MTはわずか500台というレアな存在。しかし、ATでのスポーツ走行でも不都合は全くなく、8000rpm付近まで引っ張れるそうだ。
前席にはしっかりと身体をホールドしてくれるレカロ製のリクライニングバケットを装備。ヴィルトファブリック/バイアスニット素材の表皮はパジェロエボの専用品。後席は50:50分割タイプでリクライニング機構も装備。
フロント25mm、リヤ30mmスペーサーとリム幅8Jのワイドホイール装着に合わせて、90mmワイドの構造変更をした公認仕様。装着ホイールはフォースデナリ(8.0J+15)、タイヤは285/60−18サイズのオープンカントリーR/Tだ。
パジェロエボリューションを5年前に購入したのが、取材車両のオーナーである相馬さん。「きっかけはネットでたまたま見たパリダカを走る姿。母の勧めでパジェロミニに2年乗り、パジェロのファイナルを新車で買おうと思ったのですが完売ということで、エボリューションを探したんです。後で知りましたが、パジェロエボの発売日はボクの誕生日、このクルマの年式はボクの誕生年なので、運命的なものを感じますよね」とのこと。
パジェロエボリューションで相馬さんが楽しんでいるのは、オフロードコースとワインディングコースのオン・オフロード二刀流。そのためのカスタムが、あえてダンパー&スプリングはノーマルのままで、さらなるワイドトレッド化だ。「他のクルマにも乗りましたが、これより楽しいクルマはないですね」とパジェロエボにぞっこんだ。