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3S-GE+オートマで超快適なイージドライブが可能!
余裕の動力性能でトラブルの悩みも解消
9代目110系まで続く伝統のグレード“グランデ”が初めて設定された3代目30/40系マークIIは1976年に登場。4ドアセダンと、マークIIとして最後になる2ドアハードトップには直6SOHC(2.6Lの4M-U/EU型、2.0LのM-U/EU型)と、直4SOHC(2.0Lの18/21R-U型、1.8Lの3T-U型)エンジンが搭載された。
10年ほど前、そんな30/40系マークIIのセダン2000DX(RX30型)を衝動買いしたのが大杉さん。
「買ってからしばらくは調子良く走ってたんですが、ある日、センタートンネルからモクモクと煙が上がってきて。センターパイプのガスケットが劣化して排気ガスが漏れていたんです。それを修理してもらうのに足を運んだのがダディーモーターワークスでした」。
これで一件落着のはずが、今度はエンジンがかかりにくいという厄介な症状が頻発することに。原因はキャブなのか、それとも別の箇所か…?
そこで尾頭さんに相談したところ、よほどの思い入れがない限りパーツの手配に苦労する旧いエンジンで乗り続けるより、新しいエンジン(とミッション)に載せ換えた方がトラブルは減るし、パーツにも困らないから今後も維持しやすいという、実にごもっともな結論に到達した。
こうして40年以上前のキャブ仕様18R-U型エンジンと油圧制御3速ATは降ろされ、代わりに同じ直4でデュアルVVT-i仕様の3S-GE型と電子制御5速ATがセットで載せられることになったのだ。
「換装作業は楽でしたよ。大きな加工もなく、オイルパン形状に合わせてフロントサスメンバーを前後ひっくり返して取り付けたくらいです。ミッションマウントとプロペラシャフトはワンオフで作りましたけどね」と尾頭さん。ECUとハーネスもアルテッツァから移植してエンジンとATを制御する。ラジエターはアルミ製に交換。フロントグリル直後に装着された空冷式コアはATFクーラーだ。
エンジンスペックはグロス100ps/15.5kgmからネット200ps/22.0kgmへとパワーで2倍以上、トルクも5割増しなのだから、同じようにアクセルを踏んだら、その気がなくても飛ばしてしまうこと必至だ。
マフラーは控えめなシングルテールとされたステンレス製ワンオフ品。メインパイプ径はφ60とされ、排気効率の向上とスポーティなエキゾーストサウンドを両立している。
それから、エンジン換装によって電動パワステ化が図られ(ノーマルはパワステレス)、コンデンサーを新調したことでエアコンの効きが劇的に改善されるなど快適性も大幅にアップ。「エアコンは炎天下でも最冷にする必要がないほど。むしろ効きすぎるくらいですよ」と大杉さんは笑う。
ナルディ製に交換されたステアリングハンドル。ベーシックグレードのDXだけにメーターパネル右側にはタコメーターの代わりにアナログ式時計が備わるため、その前にポータブルナビをセットする。
センタコンソール最上段の左は上級グレードだとアナログ式時計が入るスペース。その下にエアコン操作パネル、シガーソケットと灰皿、リヤデフォッガースイッチが並ぶ。標準オーディオはAMラジオだが、1DINサイズのCDプレイヤー付きAM/FMチューナーに交換される。
時代を感じさせる長くて細いATセレクターレバー。見た目はODスイッチを持たない3速ATそのものだが、ミッション本体は電子制御式5速ATに載せ換えられている。
シートレールをワンオフ製作して運転席にはレカロLXを装着。助手席と後席はノーマルで、廉価グレードらしく表皮素材はビニールとファブリックのコンビとなる。
足回りは、他車種用を流用したKYBニューSRに純正スプリングの組み合わせ。ホイールこそ交換されているが、雰囲気は限りなくノーマルに近い。パワートレインを一新しているのに、見た目からはその気配すら感じられないところが何とも通好みな1台だ。
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ダディーモーターワークス 愛知県豊明市沓掛町神明13 TEL:0562-85-9911
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