普通免許で運転できる商用バンの需要拡大

商用バンの写真
積載量を確保しやすくさまざまな使い方がある。

ネット通販やフードデリバリーの利用が当たり前になり、街中を走る配送用のクルマを目にする機会が一段と増えている。物流の現場を支えるこうした商用バンは、法人だけでなく個人にも広がりをみせている。普通免許で運転できるモデルが多く、副業や個人事業主にとっても導入しやすい存在となっているというわけだ。

その主要な配送用のクルマは、積載力に優れる大型バン、都市での取り回しを重視した中型バン、維持費を抑えつつ活用できる小型商用バンと、大きく三つのタイプに分けられる。

ここからは、日本を代表する商用バン3車種を取り上げる。

トヨタ「ハイエースバン スーパーGL」
トヨタ「ハイエースバン DX」

1車種目はトヨタ「ハイエースバン」である。このクルマは商用バンの代名詞といえる存在であり、長年にわたり定番車種として支持されてきた。

全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mmで、ホイールベースは2570mm。室内長は3000mmを超え、建材や工具を積み込む余裕が確保されている。ハイエースは宅配業務や建築現場、イベント機材の運搬など、幅広い用途に投入されていることが特徴だ。

また、信頼性が高く、過酷な環境でも稼働を続けられる点が評価されている。さらに、カスタマイズ性の高さもあり、社用車だけでなく趣味のベース車両として選ばれることも多いというわけだ。

中型バンに相当する日産「NV200バネット」

2車種目は日産「NV200バネット」である。都市部での使いやすさを前提に開発された中型バンで、実際に配送業務を担う現場で重宝されている。

全長4400mm×全幅1695mm×全高1850mmで、ホイールベースは2725mm。大きすぎないボディサイズのため、狭い路地や立体駐車場にも対応しやすい。荷室長は2040mmを確保し、日用品から小型の家具まで効率的に運搬できる。街中での配送、飲食店の仕入れ、介護や福祉関連の送迎など、都市型の事業用途に適しているのが特徴だ。

NV200バネットは燃費性能と積載効率を両立し、ビジネスシーンで幅広く支持されている。

先述の2車種よりはコンパクトなマツダ「ボンゴバン」
先述の2車種よりはコンパクトなマツダ「ボンゴバン」

3車種目はマツダ「ボンゴバン」である。小型商用バンとして長い歴史を持つモデルで、街中での取り回しの良さと積載性を兼ね備えている。初代は1966年に登場し、以降210万台以上が生産されてきた実績を持つ。

全長は小型商用車枠に収まるコンパクトな寸法で、最小回転半径は2WD車で4.9mに設定されているため、市街地や住宅街でも扱いやすい。積載部、荷室床面の高さは低めに設計されており、荷物の積み降ろしによる身体的な負担を軽減できるのも特徴である。

また、新開発の1.5Lガソリンエンジンを搭載し、低速域では力強いトルクを発揮しつつ、高速走行では軽快さを備える。燃費性能にも優れ、「平成30年排出ガス規制50%低減レベル」や「平成27年度燃費基準25%以上達成」に適合しており、重量税の免税措置や環境性能割の非課税対象となっている。

バンが並んでいる写真
商業バンの導入コストや維持費の違いも選択のポイントとなる。

代表例として3車種を取り上げたが、導入コストや維持費の違いも選択のポイントとなるだろう。ハイエースバンは新車価格が244万〜450万円と仕様も中型バンに相当する日産「NV200バネット」高額だが、積載力と信頼性から長期的な運用で採算を取りやすい。

NV200バネットは250万円程度で購入可能で、都市型配送に適したバランス型といえる。ボンゴバンは190万円台から導入でき、維持費や安全装備も含めてコストパフォーマンスの高さが魅力となっている。

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積載力を求めるならハイエースバン、都市部での効率的な配送にはNV200バネット、コストを重視しつつ安全性も欲しい場合にはボンゴバンが適しているというわけだ。