NISSAN GT-R Pure edition
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BMW M4 Competition M xDrive

2024年にフェイスリフトを実施したM4

日産自動車は、2025年8月をもって「R35 GT-R」の生産を終了した。2007年にデビューしたGT-Rは、日本のスーパーGTをはじめ、世界中のモータースポーツで得られた知見をフィードバックしながら、18年をかけて進化し続けてきた。

2020年に登場した現行「BMW M4」は、2024年に内外装のフェイスリフトを実施。3.0リッター直列6気筒ツインターボは3種類のパフォーマンスレベルが用意されており、今回は比較対照として、全輪駆動の最上級仕様「M4 コンペティション M xDrive」をチョイスした。

威風堂々たるフォルムのGT-Rだが、ボディサイズはM4が全長で95mm長く、ホイールベースも75mm長い。M4はロングホイールベースにより、直進安定性に加えて、リヤシートの実用性を持った居住スペースが確保されている。車重は30kg差とほぼ互角だ。

日産 GT-R Pure edition

ボディサイズ=全長4710×全幅1895×全高1370mm
ホイールベース=2780mm
車両重量=1760kg
タイヤサイズ=255/40ZRF20(前)、285/35ZRF20(後)

BMW M4 コンペティション M xDrive

ボディサイズ=全長4805×全幅1885×全高1400mm
ホイールベース=2855mm
車両重量=1790kg
タイヤサイズ=275/35R19(前)、285/30R20(後)

BMW伝統の直列6気筒をフロントに搭載

GT-Rは、改良を繰り返してきた3.8リッターV型6気筒「VR38DETT」ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は570PS、最大トルクは637Nmを誇る。対するM4はBMW伝統の3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンが奢られ、「コンペティション」は最高出力530PS、最大トルク650Nmを発揮する。

最高速度はGT-Rが300km/hを超えるのに対して、M4は電子リミッターで250km/hに制限される。ただ、「Mドライバーズパッケージ」を装着することで、290km/hまで引き上げることも可能だ。

日産 GT-R Pure edition

エンジン形式=V型6気筒ツインターボ
排気量=3799cc
最高出力=570PS/6800rpm
最大トルク=637Nm/3300〜5800rpm
トランスミッション=6速DCT
駆動方式=AWD
最高速度=305km/h
0-100km/h加速=3.2秒

BMW M4 コンペティション M xDrive

エンジン形式=直列6気筒ツインターボ
排気量=2992cc
最高出力=530PS/6250rpm
最大トルク=650Nm/2750〜5730rpm
トランスミッション=8速Mステップトロニック(AT)
駆動方式=AWD
最高速度=250km/h(電子リミッター)
0-100km/k加速=3.5秒

今もモータースポーツで戦い続ける2台

M4は、2024年のアップデート以降、12.3インチディスプレイと、14.9インチコントロールモニターを組み合わせた「BMWカーブドディスプレイ」を導入。最新の大型ディスプレイが鎮座するM4と比較すると、7インチ液晶メーターと7インチセンターディスプレイで構成されるGT-Rのコクピットは、やはり時代を感じさせる。

どちらのモデルも、市販仕様をベースに「GT3」規定マシンが開発されており、現在も日本のスーパーGTや世界中のGTレースで活躍を続ける。そこで得られた経験やデータは、パワートレインだけではなく、シャシーや足まわりにも多くの進化をもたらしてきた。残念ながらR35 GT-Rは、もう新車で購入することは叶わない。だが、同じモータースポーツのバックグラウンドを持ち、6気筒ターボ+AWDという構成のM4を、ほぼ変わらない価格でで手にいれることができると考えることもできる。

車両本体価格

日産 GT-R Pure edition 1444万3000円
BMW M4 コンペティション M xDrive 1504万円

正真正銘、この2025年モデルが最終GT-R。

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長らく「今年で最後」と言われ続けてきたGT-Rだが、正真正銘、この2025年モデルが最終モデルになることが日産自動車広報部から正式にアナウンスされた。スーパーカー界に一石を投じたGT-Rとは、果たして何者だったのか。(GENROQ 2024年11月号より転載・再構成)