2030年までにEVの比率が20%に

2023年までにパワートレインの構成は、ICEが40%、ハイブリッドが40%、エレットリカを含むEVが20%という比率になる予定だ。
2023年までにパワートレインの構成は、ICEが40%、ハイブリッドが40%、エレットリカを含むEVが20%という比率になる予定だ。

フェラーリは、今後10年間にわたる経営戦略計画を発表する「キャピタル・マーケット・デイ 2025」に先立って、現在開発を続けるブランド初のフル電動スポーツカー「エレットリカ」のシャシー&パワートレインを初公開。このエレットリカを含めて、2026年から2030年にかけて、年間平均4台の新型車を投入する予定を明らかにした。

今後、5年間をかけてラインナップを更新し、2030年時点の製品構成は、内燃機関(ICE)搭載モデルが40%、ハイブリッドとプラグインハイブリッドモデルが40%、エレットリカを含む電気自動車(EV)20%という比率になる予定だ。

2022年以降、フェラーリは2026年までに計画されている15モデルのうち、すでに14モデルを発表。顧客層の拡大とともに、カスタマーへのサポートも強化されている。また、マラネッロに電動モデルの生産拠点「eビルディング」を開設し、電動化用コンポーネントを社内で生産できる体制を整え、技術的中立性も確保された。

技術的中立性と生産の柔軟性というフェラーリが掲げる原則により、ICE、ハイブリッド、EVの各パワートレインを様々なボディスタイルやシャシーと組み合わせることが可能となる。また、電動化を進めつつも、V6、V8、V12の内燃エンジンを今後も開発・提供することがあらためて明言された。

次世代の技術者を育成する教育機関を設立

多くのメディアや関係者が集まる中開催された、「キャピタル・マーケット・デイ 2025」。
フェラーリは、マラネッロに、次世代の技術者・エンジニアを育成する「M-TECH アルフレッド・フェラーリ」を設立した。

フェラーリのアクティブな顧客数は9万人に達しており、約3万2300名もの新規顧客を獲得。世界的な経済環境の不安感があるなかでも、2022年比で20%の増加を果たした。カスタマーとの距離を縮めることを目的に、東京とロサンゼルスに新たなテーラーメイド・センターを開設、ロンドンとニューヨークに新規旗艦店をオープンする。

2030年に向けた脱炭素化目標として、現在の取り組みを推進することが、あらためて表明された。温室効果ガス(GHG)排出量は、2021年から2024年にかけて、すでに約30%を削減済みとなっており、2030年までに2021年比で少なくとも90%が削減される見込みだ。

世界規模の教育プロジェクトとして、フェラーリは、次世代の技術者・エンジニアを育成する「M-TECH アルフレッド・フェラーリ(M-TECH ALFREDO FERRARI)」を、マラネッロに立ち上げた。新たな高度教育トレーニングセンターは、フェラーリ、アニエリ財団、マラネッロ、モデナ、エミリア=ロマーニャ州の協力、顧客の支援を得て実現している。

フェラーリのジョン・エルカン会長は、キャピタル・マーケット・デイ 2025において、2030年に向けた経営方針について次のように説明を加えた。

「新型フェラーリ エレットリカを通じて、私たちは再び、高度な技術、創造的なデザイン、そしてクラフトマンシップを融合させていきます。同時に、マラネッロに開設される先進的な数育拠点『M-TECH アルフレッド・フェラーリ』を立ち上げることも発表しました。ここでは、世代を超えたエンジニア、技術者、イノベーターたちが育成され、刺激を受けることになるでしょう。私たちは、フェラーリの社員、イタリア、そしてフェラーリの独自性を守り続けることを、あらためて宣言します」

フェラーリは、キャビタル・マーケット・デイ 2025において、市販化に向けて開発されたフル電動モデル「エレットリカ」のシャシーを公開した。

フェラーリが初のEV「エレットリカ」のシャシーを公開「最高出力1000馬力」

2025年10月9日、フェラーリはキャビタル・マーケット・デイ 2025(Capital Markets Day 2025)において、ブランド史上初のフル電動モデル「エレットリカ(Elettrica)」の量産仕様シャシーと主要コンポーネントを初公開した。