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今日は何の日?■走りと燃費を両立させたフリード・ハイブリッド
2011(平成23)年10月27日、ホンダは2008年にデビューしたコンパクなミニバンながら、ゆとりの室内空間や荷室空間などで人気の「フリード」に、快適な走りと低燃費を両立させるハイブリッド車「フリード・ハイブリッド」を追加した。

広い室内と多彩なシートアレンジで人気を獲得したフリード
フリードは「モビリオ」の後継モデルとして2008年にデビューした。“フリーライフ・クリエイション”をコンセプトに、ホンダ独自の低床・低重心技術を採用し、ゆとりある室内スペースとライフスタイルに合わせた自由な使い方ができる5ナンバーのコンパクトなミニバンである。

引き締まったフロントフェイス、スムーズな乗降と利便性に優れた両側スライドドアに加え、クラス初の2列目キャプテンシートを採用した“7人乗り仕様“とクラス初の”8人乗り仕様“など、多彩なシートアレンジを設定。パワートレインは、最高出力118ps/最大トルク14.7kgmを発揮する1.5L 直4 DOHC i-VTECエンジンとCVTおよび5ATの組み合わせで、駆動方式はFFとフルタイム4WDが用意された。

コンパクトながら自由度が高く、運転しやすいフリードはリーズナブルな価格だったこともあり、約1ヶ月で約2万台を受注。20代~40代の子育て世代のファミリー層から支持され大ヒットモデルとなった。
IMAハイブリッドを搭載したフリード・ハイブリッド

2011年10月のこの日、人気の「フリード」にハイブリッド車を追加。フリード・ハイブリッドは、クロームメッキ+クリアブルー塗装を施した専用フロントグリルやメッキ+クリアブルーのヘッドライトガーニッシュなど専用デザインで差別化された。

さらに、フロントウインドウに遮音機能付ガラスを追加するとともに、吸音・遮音材も追加し静寂性も改善され、またIMAバッテリーの搭載によるフロア高の上昇をシート脚部の見直しにより抑え、ガソリン車と同等の居住空間が確保された。


ハイブリッドシステムは、1.5L 直4 i-VTECエンジンとIMAを組み合わせたシステム。IMAは、1999年の「インサイト」で初めて搭載された、エンジンをアシストする薄型DCブラシレスモーターをトランスミッションとの間に挟み込んだマイルドハイブリッドである。

IMAは、減速時にはモーターが発電機として減速エネルギーを回収(発電)し、搭載されている駆動用ニッケル水素電池に充電する。この電気を使ってモーターを駆動させ、発進や加速時にエンジンの駆動力をアシストする。
ハイブリッド搭載で21.6km/L(JC08モード)の低燃費を実現。車両価格は、6人乗りで214.9万円(標準グレード)/229.5万円(ハイグレード)に設定された。

トヨタ・シエンタとともに爆売れしているフリード
人気のフリードは、2016年に2代目へモデルチェンジ。コンパクトでありながら、広い室内空間を有するフリードの特徴をさらに高めた設計で進化した。また、スポーティな「フリード・モデューロX」が追加設定されるなど、その後も高い人気は維持され、2022年には人気ミニバンの中で販売台数1位を獲得した。

2024年6月には3代目に移行。3代目も、フリードの特徴であるコンパクトな取り回しのしやすさと室内空間の広さを継承しながら、エンジンや運転支援技術が最新化され、2024年販売台数は8.5万台を超え、1位の「カローラ」以下、「ヤリス」、「シエンタ」、「ノート」に続いてフリードは5位につけた。
カローラ、ヤリス、ノートはシリーズモデルだが、単一ボディに限ればコンパクトミニバンのシエンタとフリードが、登録車販売台数の1位と2位を占める。
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コンパクトボディながら、両側スライドドアと3列シートを設けた上で快適装備を盛り込み、十分な走行性能と安全性能が確保されたコンパクトミニバン。軽自動車のように日本市場固有のモデルだが、3列シートは緊急シートとして普段は使わないにしても、軽ハイトワゴンに較べると用途が広いフリートとシエンタは、子育てファミリー層から圧倒的な人気を獲得しているのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。






