ベントレーは現在、ブランド初となるコンパクトBEVクロスオーバーSUVを開発中だが、市販型プロトタイプが初めてニュルに出現した。

ベントレー アーバンSUV

ついにベントレーから小型SUVが登場する!

これを聞いて一般層も近所のベントレーに立ち寄って新モデルを購入できるようになるかもしれない♪と思ったら大間違いだ。たしかに20万ドル(約3000万円)と高騰するベントレー「ベンテイガ」ほどではないものの、15万ドル(約2200万円)からと、とても手に出る価格ではないからだ。

ベントレー アーバンSUV

新型SUVは、フォルク​​スワーゲン・グループのPPEアーキテクチャを採用してカイエンEVと共有されるため、これまでのプロトタイプはポルシェ「カイエン」のテストミュールだったが、ニュルではベントレーのデザイン的特徴がはっきりと見て取れる。

しかし、これが最終デザインというわけではない。フロントエンドでは、青く見える4灯式ヘッドライトが確認できるが、この4灯式ヘッドライトは明らかに本物ではない。また、ステッカーの裏にある実際のライトは、ポルシェから流用した4灯式LEDデイタイムランニングライトのようだ。

リアセクションでは、ベンテイガとコンチネンタルからインスピレーションを得た、楕円形テールライトが装備されているがこれもデカールで、左のライトを見ると内部に本物のLEDストリップが光っているのが確認できる。

また、ハッチのふっくらとしたパッドは、見る者を混乱させるために延長されているように見えるほか、同様に、ドアにも分厚いパッドがあり、リアウインドウの3/4は完全にテープで覆われている。さらに、ウインドウを模倣した黒いテープとフレームの形状を隠すためのカモフラージュなど、プロトタイプはほとんどは偽造で隠されており、正体が明かされるまでまだ時間がかかりそうだ。

兄弟モデル「カイエン・エレクトリック」では、108kWhバッテリーを搭載し、WLTPサイクルで350マイル(約560km)の航続距離を実現する見込みで、来年の2026年に発売される予定だ。しかし、ベントレーのEVは車重が重くなる可能性が高いため、航続距離は若干短くなると予想される。

また、カイエンで導入が予定されているワイヤレスEV充電システムもベントレーに搭載される可能性があるが、大型モデルに大きく影響しないように、カイエンと同じ1000ps以上のモーターシステムは搭載されない可能性があるという。

いまだ未定の車名だが、同ブランドは、今年始めに2つの商標を出願。1つは「マヨン」という名称だ。これはフィリピンの火山に由来するようだが、ベンテイガもまた、カナリア諸島の火山岩にちなんで名付けられており有力と言えそうだ。もう1つは、かつてベントレーの救世主として活躍し、ル・マンで3度の優勝を果たした著名な「ベントレーボーイ」レーサー、ウルフ・バーナートの姓である「バーナート」で、この2つのどちらかになることが濃厚と言えそうだ。