スズキ ジクサーSF250 FFV……2025年1月よりインドで発売開始





「バイオエタノール」とはトウモロコシやサトウキビから作られた植物由来の燃料
ジクサーSF250 FFVはバイオエタノール燃料の混合率20%から85%まで使用可能!

トウモロコシやサトウキビから作られた植物由来の「バイオエタノール燃料」は、化石燃料のガソリンに代わる自動車用&バイク用燃料として、1930年代よりブラジルなど一部の農業大国で使用。
化石燃料に比べてCO2削減の効果が期待でき、近年ではカーボンニュートラルに貢献する“地球に優しい動力源”として注目されている。
バイオエタノール仕様車は「フレックス燃料車(FFV/フレキシブル・フューエル・ビークルの略)」と呼ばれる。
インドやブラジルなどで使用されるバイオエタノール燃料は、一般的にバイオエタノール20%:ガソリン80%程度の割合の、混合燃料として使用。
写真のジクサーSF250 FFVは、バイオエタノール燃料20~85%の高濃度に対応するのが大きなポイントだ。
バイオエタノール燃料車はトウモロコシやサトウキビが大量に生産できる農業大国・インドに最適?
高濃度なバイオエタノール燃料の場合、ガソリンと比べ金属部品が腐食しやすく、サビや燃焼室周りへの摩耗対策などが必要となる。
写真のジクサーSF250 FFVが、ガソリン対応モデルのジクサーSF250と大きく異なるのは、燃料タンク、燃料ライン、エンジン内のピストンリングやバルブ周り、インジェクター、ECU(エンジンコントロールユニット)など。
金属やゴム、樹脂部品への攻撃性が高いバイオエタノール燃料に対応するため、各部のパーツの素材変更。また燃料が直接触れるタンクやインジェクターにはフッ素加工を実施している。
バイオエタノール燃料はガソリンと蒸発性が異なり、エタノール濃度が高くなるほどエンジンが冷えている時に燃焼しにくいのが特徴。そのため、燃料の供給を制御するECUのセッティングも変更済み。
バイオエタノール燃料は、トウモロコシやサトウキビが大量に生産できる、土地が広くて植物が育ちやすい気候と環境の農業大国(大規模なプランテーション農業ができる地域)で普及しているのが特徴。国内メーカーは今後、巨大バイク市場なインドなど、新興国市場を視野に入れた様々なモデルを開発・投入する見込みだ。
日本では2025年5月、経済産業省が2028年度から一部の地域において、ガソリンに最大10%のバイオエタノール燃料を混ぜた混合燃料を先行導入すると発表。国内でもFFVに関する動向に目が離せない。





