日本国内専用に4WDを用意 デザインや走行性能にも好感

エスクード、イグニスに代わるスズキのクロスオーバーSUVとして投入されたのがこのフロンクス。スズキのBセグメントハッチバック、2代目バレーノ(日本未導入)をベースに設計、インド・グジャラート工場にて生産、日本市場へは輸入の形をとる。「日本にあっては、軽自動車から乗り換えたいユーザーの受け皿としてもちょうど良いサイズ、価格帯のクルマ」とは、同車チーフエンジニア・森田祐司さんの弁だ。
エクステリア




〝クーペスタイルSUV〞をコンセプトとした外観はマルチスズキR&D(インド)との共同開発。全長×全幅×全高は3995㎜×1765㎜×1550㎜と、4mを切る短い全長と、幅広く低いプロポーションが特徴。コンパクトでありながらも、明快で尖ったデザインテーマで表現された活き活きとした爽快なスタイルが特徴。一方でインテリアはブラック×ボルドーの高級感のある配色、硬質な金属フレームを表現した高輝度シルバー塗装の加飾などを採用。シートにはシルバーステッチを施した、日本仕様独自のコーディネーションによるレザー調&ファブリック表皮を用いている。
乗降性


パワートレインは1.5ℓの4気筒エンジンにISGを組み合わせたマイルドハイブリッド。これに6速ATが組み合わせられる。駆動方式にはFFのほかに、日本国内専用に4WD車も設定。この4WD車はスノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールの3つのモードを備える。そのほかミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせ、検知対象を車両、歩行者、自転車、自動二輪車とし、交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートⅡを標準とするなど、最新の予防安全技術を備える。電動パーキングブレーキも標準だ。
インストルメントパネル

実車はスタイリッシュなSUVでありながらも実用性も兼備している点が魅力だ。4mを切る全長と4.8mの最小回転半径で取り回しがしやすく、日常的に乗る用途にもまったく問題がない。一方で外観から想像するより室内空間はゆったりとした居心地。着座位置はハッチバック車+αといった程度でシート座面は極端に高くない。シートそのものは前後ともクッションがしっかりとストロークしてくれる良好な着座感。後席スペースは頭上、足元ともに余裕がある。ラゲッジスペースは奥行きこそ欲張ってはいないが、フロアボードの高さを2段に切り換えられるようにし、深い方にすれば容量が補え、実用性が高められる。
居住性


走りは、実にサラッとした印象。乗り味はFF、4WDともさり気なくフラットで、ステアリングの手応えのある操舵感も良い。クラスを考えれば音、振動の室内への侵入は抑えられている部類と言える。動力性能も十分で、6速ATの制御プログラムも的確なため、走行シーンを問わず、ストレスのない加速が得られる。
うれしい装備






月間販売台数 1687台(24年11月~25年4月平均値)
現行型発表 24年10月
WLTCモード燃費 19.0㎞/ℓ※FF車

ラゲッジルーム


ISGのおかげもあり出足はスッとスムーズで、スポーツモードのキレ味のいい加速感は、日常的にも有効。ハンドリングもパワーフィール同様の小気味良さで、ワインディングも軽やかに駆け抜けられる。


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