バイク免許を取ってからのライフスタイルと音楽性の変化

アンジェリーナ1/3
2001年12月25日生まれ。 アンジェリーナ1/3の名前の由来は、日本、スペイン、フィリピンと3カ国の血が入っていることに由来。 ガールズバンドガールズバンド『Gacharic Spin(ガチャリックスピン)』ではマイクパフォーマーを担当。座右の銘は亡き父の言葉「夢は口に出せば叶う!!」。その言葉通りに音楽で食べていくことを夢見ていた高校生時代、文化祭でギターの弾き語りをしている所をバンドリーダーにスカウトされ、2019年に高校2年生でガチャリックスピンに加入。TBSラジオやTOKYO FMなどで複数のラジオ番組でパーソナリティを務めるほか、TBS「サンデージャポン」のゲストコメンテーターにも抜擢される。今年の秋から『ailly(アイリー)』名義でソロプロジェクトを始動。その第一弾が9月17日にリリースされる配信シングルの『Radiory(レディオリー)』だ。マルチに活躍するドリームガール。

ガールズバンド『Gacharic Spin(ガチャリックスピン)』のマイクパフォーマーにして、TBSラジオやTOKYO FMなどでラジオのパーソナリティを務めるなど、マルチに才能を発揮するアンジーことアンジェリーナ1/3。

2009年に結成した人気ガールズバンドの『Gacharic Spin(ガチャリック スピン)』。2019年2月にアンジェリーナ1/3が加入した。今後、彼女はGacharic Spinのマイクパフォーマーとしての活動と並行してソロ活動を続けていく。

2026年3月6日(金)からは『ailly(アイリー)』名義で初のソロツアー『Hello ailly!! 1st Tour 2026』(チケットの一般販売は12月20日(土)10:00からの予定。詳しくは後述する)も決定し、今、もっとも注目を集めているドリームガールだ。

令和のラジオスターとして知られるアンジェリーナ1/3は、現在TBSラジオ『Angie radio!!~夢は口に出せば叶う!』(毎週日曜12:00~12:55)、TOKYO FMほかJFN38局『SCHOOL OF LOCK!』(毎週月~金曜日20:00~23:55)のアンジー教頭を担当するなどのレギュラー番組を抱えている。
ⒸTBSラジオ『Angie Radio!!~夢は口に出せば叶う!~』

そんな彼女が、今もっとも夢中になっているのがバイクだという。第1回目は普通に二輪免許の取得の経緯と兄から譲られたヤマハTW225Eについて、第2回目は教習所でのエピソードと将来乗りたい夢のバイクについて話を聞いた。最終回となる今回はそのインタビューの続きとなる。免許取得から1年が経過し、免許取得後の生活の変化、音楽への影響を中心に語ってもらった。

1st EP『ailly』を2026年2月18日にリリース。EP収録曲「噺々」の“和”を取り入れたMVが公開中。
ailly「噺々」Official Music Video

ライディングは人生そのもの
感覚が鋭敏になり音楽活動にプラスに

オートバイに乗るとライフスタイルや人生観が少なからず変わるよね。アンジーの場合はどうだったの?

「すごく大きな変化がありました。これまで私は何かを思い立って行動しようとしても、最初から自分の限界を決めつけて諦めてしまったり、道半ばで『ここまででいいかな』と自分の力を100%出し尽くさないまま終わることが多かったんです。ところが、二輪免許を取得し、オートバイに乗るようになってから自分の中の『ガラスの天井』が取り払われたように思うんです」

兄から譲られたトラッカースタイルのヤマハTW225Eがアンジェリーナ1/3の愛車だ。実用性の高いトレイルバイクであったが、1990年代末~2000年代にかけてカスタムベースとして人気を博した。

自分の中の殻を割ったというか、一皮むけた気分?

「バイクで出かけると風の気持ち良さを感じるとともに、流れる風景の先にあるもの……新しく広がる景色を見たくなるじゃないですか? バイクで走るとバイザー越しに見える眺めは目まぐるしく過ぎ去っていきますが、側から見るのと違ってライダーには意外とゆっくりと景色が見えます。制限速度の縛りはあるものの、その範囲内でどれくらいのスピードで走るかはライダー次第。スロットルを捻れば強く風を感じられるいっぽう、風景は早く流れて行ってしまいますが、その反対にスロットルを緩めれば、風は優しく身体を流れて行き、のんびりと景色を眺めることができます。つまり、交通の流れや路面の状況、自分のライテクと相談しながら安全な範囲で自分でスピードをコントロールすればいいわけです。それって人生と同じことだと気づいたんです」

『Gacharic Spin』でマイクパフォーマーとして活躍するアンジェリーナ1/3。激しいサウンドが多いバンド活動に対し、『ailly』名義によるソロプロジェクトではまた違った彼女の魅力を見せてくれる。

ということは、音楽活動にも何か良い変化があったと?

「まず、体感がすごく変わりました。子どもの頃から私はエンジンの音がすごく好きでしたが、バイクに乗るようになってから回転数による音の変化に耳を傾けられるようになったことで、音に対する感性がより鋭敏になった気がします。それが音楽性にも良い方向に反映されました。『Gacharic Spin』やソロ活動では、私は主に歌詞を書いているのですが、歌詞で描かれている情景の表現力はもちろん、言葉ひとつひとつをとっても、バイクに乗り始めたことで身体が受ける感覚もより敏感に、繊細になった感じがして、音楽にも良い影響を与えてくれました。そんなこともあって、いずれはバイクをテーマにした歌詞を書いてみたい! 絶対に作りたいです。私の好きな奥田民生さんはバイクやクルマの歌もたくさん作ってます。けれども、女の子でそうした曲を歌う人はなかなかいないですよね。だから、チャレンジしてみたい」

『Gacharic Spin』のライブの様子。

エンジンが刻むリズムを穏やかに感じる
ソロ活動では田舎道をのんびりとバイクで走る楽しさを表現したい

バイクと音楽というと、最近はBluetoothインカムの普及でツーリングのお供に音楽に親しむ人が増えているよね。

「歌いながら乗ってることも多くて(笑)。でも、あまり運転中に激しい曲を聴くことがないんですよね。緩やかな曲が多くて。だから、私の中ではエンジンが刻むリズムは緩やかなものと認識しているみたいなんですよ。だから、もしも私がバイクをテーマに曲を作るとしたら、アコースティックギター1本で演奏するような曲にしたい。バイクやクルマの曲は疾走感を歌ったものが多いようですが、私の中ではそうじゃない。乗って初めて気がつく楽しさというか、田舎道をのんびり走っているような感覚というか、そういう曲を書きたいし、歌いたいんです」

実用性の高いトレイルバイクのTW225Eは、2000年に放送されたTVドラマ『ビューティフルライフ』の劇用車を手本に「スカチューン」と呼ばれるカスタムがブームとなった。アンジェリーナ1/3の愛車は実用性を損なわない範囲でカスタムが施されている。

『Gacharic Spin』は激しい曲が多いからちょっと意外かも。

「バンド活動は激しいサウンドが多いですけど、『ailly』名義のソロ・プロジェクトは、あくまでも私個人の活動。より自分の心の中を押し出した曲を作りたいので、たぶん穏やかなサウンドの曲が多くなると思います。バイクと音楽って何か共通点があると思うんですよね。音楽ってすごく身近な存在で、ファッションや自分のアイデンティティの一部にもなる。バイクは乗る乗らない、好き嫌いがあるとは思いますけど、好きな人にとってはオートバイとの距離は音楽と同じくらい距離が近い。だから、音楽を聴く自分がカッコイイと思った人が自然に好きな音楽に接するように、バイクが少しでも気になったら身構えることなく自然体で乗り始めたら良いと思うんです。この感動とか楽しさってのは、実際に乗ってみて初めてわかることですから。興味があるのに乗らないのはもったいないですよ」

TW225Eが搭載する225cc空冷単気筒SOHCエンジンの穏やかなフィールがアンジェリーナ1/3の感性に良い影響を与え、創作意欲を高めているのかもしれない。

バイクと音楽の共通点は人との距離の近さ
今はこの楽しさを共有できるバイク仲間が欲しい!

オートバイと音楽の共通点は人との距離の近さにある、と? たしかにそれは言えるかも。もちろん、バイクに興味のない人もいるから一概には言えないけど、好きな人にとっての距離感は音楽と同じくらい近い。職業やライフスタイルによっては通勤・通学・買い物と生活の中にうまく溶け込ませることもできるしね。

「バイクに乗り始めて気がついたんですけど、東京の街って意外とバイク移動が便利なんですよ。実際、都内で一緒に住んでいる兄はどこに行くのもすべてバイクでした。クルマを買ったのでTW225Eを私に譲り、今は自分のバイクを所有していませんけど、落ち着いたら次は大型バイクを買うって言っています」

あ、じつは自分もそう。都心の移動は基本的にバイク。自宅は3駅利用可能な場所にあるのに、電車は3ヶ月に1回くらいしか乗らない(笑)。クルマと違って時間が読みやすいし、経済的で、運転が楽しい。まだまだ足りないと言われてはいるものの、昔に比べればバイク駐輪場も少しずつ増えているから、アシ代わりに意外と使えるよね。

「バイクが好きな人はやっぱりそうなんですね」

兄がメンテナンスをしているというアンジェリーナ1/3のTW225Eは古いバイクでありながらもメンテナンスは行き届いており、外装はピカピカに輝いていた。

バイクはどのように楽しんでるの? どこかツーリングに行った?

「残念ながら仕事が忙しくて、丸1日休みって日がほとんど取れなくてツーリングにはまだ行けてないんですよ。もっぱら、時間を見つけては地元の下町をぐるぐる回るくらい。なんか免許取り立ての高校生みたいなバイクライフを過ごしています。本当はロングツーリングにも行きたいし、オートキャンプにも行きたいし、林道も走ってみたい。バイクの知識を増やしてDIYメンテナンスもやってみたいし、バイク仲間を作ってみんなで一緒にどこかに出かけたい。どっちかと言うとソロツーリングよりもマスツーリングが好みかな。みんなでワイワイガヤガヤとバイクで走りに行くのに憧れちゃいます」

バイク好きの友達はいないの?

「一応いますよ。千葉方面に乗る女の子の友達がいます。ほかには湘南方面にバイク好きの友達が住んでいます。湘南の友達には『いつでも遊びにおいで』と誘われているんですけど、まだひとりで行く勇気がなくて実現していません。最近、地方の仕事でバイクファンの人たちと交流する機会があったんですけど、本当にすごく楽しかったんです。だから、バイク好きの友達を今募集しているんですよ」

アンジェリーナ1/3のTW225Eは前オーナーである兄の手でクールにカスタマイズされているが、日常使いを考慮してキジマのバッテリーボックスを使用してバッテリーは残されている。

けど、バイク好きのオッサンの中には、上から目線の「教えたがり」や、若い女の子だと下心持って近づいてくる輩も結構いるから、注意しないと面倒くさいことになるよ。バイク友達作るなら同世代の女の子に限ったほうがいいかもね。

「でも、私はライダー1年生ですし、先輩方には存分に教えたがってもらっていいというか、いろいろ勉強していつか反論できるくらいにはなりたいですね」

最初にツーリングに行くなら兄と一緒に父のお墓参りに……

ツーリング未経験とのことだけど、初めてバイクでどこか旅に出かけるとしたらどこがいい?

「湘南かな? 友達がいますし、海沿いをバイクで流したら気持ち良さそう。でも、やっぱり高尾山にします」

高尾山というのはどうして?

「兄と父の夢は免許が取れる年になったら親子でツーリングに行くことでした。だから、高校生の頃に兄はバイトで貯めたお金で自分のバイクを買ったのですが、そのときには父はステージ4のガンを患っていました。それで兄は入院中の父に買ったばかりのバイクを見せに行ったんです。父は兄のバイクに跨ると涙を流して『一緒にツーリングに行けなくなってゴメン』って絞るように言葉を発して……。たぶん、兄の中にその言葉が今でも残っているのだと思います。そんな兄と父の果たせなかった唯一の夢が一緒にバイクに乗ることだったんです。でも、今は私が免許を取ってバイクに乗れるようになりました。父の代わりに私が一緒にツーリングに行くことで、諦めるしかなかったふたりの夢が叶うんじゃないかと思うんですよ。だから、初めてのツーリングは兄と一緒に、父のお墓がある高尾山に行きたいです」

兄から譲り受けたTW225Eが宝物だという。将来的には大型自動二輪免許の取得も考えているというアンジェリーナ1/3だが、憧れのバイク・メグロK3を購入したとしても、このバイクを手放すことはないそうだ。

それなら初ツーリングの目的地は高尾山に行くべきだろうね。お父さんもきっと喜ぶと思う。やはり、お父さんのバイク好きの血筋は確実に子どもたちに受け継がれているね。

「父から子に受け継がれているといいなぁ……。やはり、兄と一緒にツーリングを兼ねて父の墓参りに行きたい。なので、最初に目指すのは高尾山ですね」

すばらしい!! 日々!(アンジェリーナ1/3著/文芸春秋刊/1760円[税込])
 東京の下町で、娘を溺愛する奥田民生さん似の父、スペインとフィリピンのハーフの母、ふたりの兄、父方の祖母という6人家族で暮らした愛と喧騒と歌と笑いに溢れた日々のこと、これまで深く語ってこなかった子役時代の話、高校の学園祭で弾き語りをしてバンドメンバーにスカウトされたエピソード、奥田民生さん(バンド界のお父さん)、神田伯山さん(ラジオ界のお兄ちゃん)たちとの出会い……。 驚くほどスピーディーで濃厚な22年間の歩みから、岡本太郎さんや横尾忠則さんなど敬愛するアーティストへの熱い思い、中学1年生のときに亡くなった父のこと、母との確執と和解、不登校だった頃の話まで、ありのままの自分をさらけだして言葉を紡いだ、笑って泣ける自伝的エッセイ。アンジェリーナ1/3のことをもっと知りたい人の必読の書。

ただ、問題はスケジュールだよね。ツアーも決まってこれからますます忙しくなるでしょ?

「そうなんですよ。9月17日に『ailly』名義で初のシングル『Radiory(レディオリー)』の配信がスタートし、本格的なソロ活動が始まりました。初のツアーは『Hello ailly!! 1st Tour 2026』とのタイトルで、2026年3月6日(金)の東京・下北沢・Shangri-La公演を皮切りに、3月13日(金)の大阪・梅田、3月14日(土)の広島・SIX ONE Live STAR、4月4日(土)の愛知・CLUB UPSETと全国4都市で開催します。チケットの一般販売は12月20日(土)10時からです。ソロ活動ではバンドでは落とし込めない私らしさ、バイクに乗ることで得られた日常生活の感動を、私の生の言葉に乗せてしっかり音楽の中に落とし込みたいと思います。みなさん、ぜひツアーに遊びに来てください」

ラジオのレギュラーと『Gacharic Spin』の活動に加え、この秋からソロ活動も開始したアンジェリーナ1/3。ますます多忙になるのだろうが、「私は自分が楽しいと思ったことしかやらない。しんどいことを楽しめるんです」と語り、苦には感じていないようだった。もちろん、その“楽しいこと”の中にはオートバイも含まれる。

だけど、ラジオのレギュラー番組と『Gacharic Spin』の活動に加えて、ソロ活動となると心身ともにますます大変になるよね。

「心配してくださる方も多くて、その気持ちはすごく嬉しいんですけど、私は自分が楽しいと思ったことしかやらないので。その状況を楽しめる術を探し出せるし、しんどいことを楽しめるんです。バイクに乗ることを含めて、たぶん私はバランサーというか、全部楽しめちゃう。これからすごく忙しくはなると思うけど、良い意味で力を抜いて、全部良い調子で取り組めるようにしていければと思っています」

TW225Eは初心者にも扱いやすく、街乗りからツーリング、舗装路からオフロードまでマルチに楽しめる傑作車だ。現在は中古車価格はこなれており、誰にでも扱いやすいバイクなのでオススメだ。

今回がバイクメディアの初インタビューがだったけど、どうだった?

「とても楽しかったです。所ジョージさんの『世田谷ベース』とか、千原ジュニアさんのYouTube番組はチェックしています。なので、自分もバイクメディアでお仕事ができて嬉しかったです。今、バイクがすごく楽しくて、オートバイにまつわるいろいろなことが知りたいし、これから機会があればバイクのお仕事もガンガンやっていきたいです。現在は丸1日お休みという日が月に1回あるかないかという状況なので、思いっきりTW225Eに乗れないのが辛いところですが、だからこそバイクの知識を増やしたいし、もっと関わっていきたい。なので、オートバイ関係のお仕事は大歓迎です!」

今はバイクに対して知識や経験を増やし、オートバイ仲間が欲しいというアンジェリーナ1/3。彼女のバイクライフはまだ始まったばかりだ。

最後に『モーターファン.BIKES』の読者にメッセージがあればお願いします。

「本当にバイクが好きな方がこの記事を読んでくださっていると思うのですが、私はまだまだ初心者で右も左もわからずにただオートバイに乗っているだけです。ライテクやメンテナンスの話やバイクの体験談、オススメのツーリングスポットなどの情報とか、気軽に声をかけていろいろと教えてくれると私はすごく嬉しいです。ライダーの仲間入りをさせてもらってみなさんとバイク談議ができればきっと楽しいと思うんですよね」

2026年3月から全国ツアーがスタート!

「ailly」のファーストツアーが2026年3月に予定されている。東京を皮切りに、大阪、広島、名古屋の計4箇所で開催される。

『Hello ailly!! 1st Tour 2026』
03/06 (Fri) 東京 下北沢Shangri-La w/ Conton Candy
03/13 (Fri) 大阪 梅田BANGBOO w/ yonige
03/14 (Sat) 広島 SIX ONE Live STAR w/ 横山雄二
04/04 (Sat) 名古屋 CLUB UPSET w/ Coming Soon……

詳細はこちらをチェック!