オーバーフェンダーで武装したシャオミYU7の高性能バージョンか

BYDがポルシェ911をターゲットにしたスポーツカー「デンツァZ」のニュルブルクリンクでのテスト走行を目撃してから数日後、スクープ班のカメラは、同サーキットで付近で充電中の新たな中国製ロケットマシンを捉えた。今回はXiaomi(シャオミ)の「YU7 GT」だ。1000PSをはるかに超える出力が確実であり、テスラ最速のSUV「モデルX」と「モデルY」を圧倒するモデルで、ハイパーカーさえも凌駕するかもしれないのだ。

シャオミ YU7 GT プロトタイプ スパイショット

新型車はすでに発売されているハイパフォーマンスセダンのSU7ウルトラに倣い、「YU7ウルトラ」と命名されると報じられていたが、関係者によると、ドイツで撮影された車両はシャオミ「YU7 GT」という名称になるとのことだ。

シャオミ YU7 GT プロトタイプ スパイショット

ベースとなるYU7は、今年初めに発売された高級電気クロスオーバーSUVだ。SU7セダンに続き、シャオミブランドを冠する2番目の高性能モデルとなる。

標準のYU7は、フェラーリ・プロサングエとマクラーレンのデザインを融合させたようなルックスで、今回のモデルもその要素を大きく変えることはないが、パッケージに力強さが加わっている。よりファットになったタイヤを履くための、大きく膨らんだ新しいホイールアーチが見てとれる。

ホイールアーチ以外にも、目に見える細部の変更点としては、フロントとリアの新しいエアロダイナミクスが挙げられる。ダックテールのようなハッチバックには新しくリップスポイラーが採用されている。よりアグレッシブなフロントスプリッターは、バンパーの変更とフロントホイール後方のエアアウトレットと相まって、車体周囲および車体内部の空気の流れをスムーズにしているはずだ。

21インチホイールの後ろには、曙ブレーキ製の大型カーボンセラミックブレーキを装着。ローターは前輪の内側をほぼ埋め尽くし、6ピストンのキャリパーで挟まれている。リアブレーキは4ポット式で、通常はパーキングブレーキとして使用されるキャリパーが追加されている。

トロフェオRSタイヤはXiaomi専用モデルで、サイドウォールにXMコードが刻印されている。また、タイヤセット番号は48と記載されており、Xiaomiがこのタイヤを多数装着していることがわかる。

現時点で最もパワフルなYU7はマックスだ。2基のモーターで681PSを発生し、101.7kWhのバッテリーパックを搭載している。0-62mph(約97km/h)加速は3.2秒となっている。

YU7 GTはSU7ウルトラをベースにしていると思われる。SU7ウルトラは3基のモーターを搭載したモンスターマシンで、1548PSを発揮する。トラックパッケージを装備したSU7ウルトラの市販モデルは、ニュルブルクリンクを7分4秒957で周回したが、これはリマック・ネベラよりも速く、かつて最速の電気4ドアモデルだったポルシェ・タイカン・ターボGTよりもはるかに速いのだ。

SU7ウルトラは2秒以下で時速60マイル(約97km/h)に到達できるため、YU7 GTも同じモーターを搭載していれば、同程度の速度で到達するはず。車両重量もほぼ同じなので、リングタイムもほぼ同じになると思われる。

このクルマが正式に発表される時期は不明だが、発表された暁には、シャオミがニュル最速SUVとなっいる可能性がありそうだ。