Ferrari 296 SPECIALE
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Ferrari 488 Pista

ハイパフォーマンスベルリネッタの最新作

フェラーリの量産プラグインハイブリット第2弾「296 GTB」をベースに、パワートレインやシャシーを強化、コーナーリング性能や安定性に関して大きく性能が引き上げられたスペチアーレ(スペシャル仕様)が「296 スペチアーレ」だ。クローズドボディとコンバーチブルをラインナップし、2025年から日本市場への導入がスタートした。

296 スペチアーレと同じ成り立ちで、2018年に登場したスペチアーレが「488 ピスタ」である。V8ミドシップベルリネッタの「488 GTB」をベースに、エアロダイナミクスの向上やシャシーのアップデートを実施した。なおモデル名の「ピスタ(Pista)」は、イタリア語で「サーキット」を意味する。

2台のディメンションはほぼ変わらない。全長は296 スペチアーレが20mm長いが、一方で488 ピスタの方がホイールベースで50mm長く、全幅で7mm幅広い。そして車両重量に関してはプラグインハイブリッドシステムを搭載する296 スペチアーレが130kgも重い。

フェラーリ 296 スペチアーレ

ボディサイズ=全長4625mm×全幅1968mm×全高1181mm
ホイールベース=2600mm
車両重量=1410kg
タイヤサイズ=245/35ZR20(前)、305/35ZR20(後)

フェラーリ 488 ピスタ

ボディサイズ=全長4605mm×全幅1975mm×全高1206mm
ホイールベース=2650mm
車両重量=1280kg
タイヤサイズ=245/35ZR20(前)、305/30ZR20(後)

フェラーリ量産後輪駆動最強

296 スペチアーレの3.0リッターV型6気筒ツインターボは、チタン製コンロッド、強化ピストン、軽量クランクシャフトを採用し、最高出力700PSを発揮する。システム最高出力は量産フェラーリの後輪駆動として過去最強となる880PSを絞り出す。

488 ピスタが搭載する3.9リッターV型8気筒ツインターボは、ターボチャージャーに改良を施し、ベースから50PSのパワーアップとなる最高出力720PS。スペックで488 ピスタを凌駕する296 スペチアーレだが、車両重量もあり、0-100km/h加速はどちらも2.8秒となっている。

フェラーリ 296 スペチアーレ

エンジン形式=V型6気筒ターボ+プラグインハイブリッド
排気量=2992cc
エンジン最高出力=700PS
システム最高出力=880PS/8000rpm
エンジン最大トルク=755Nm/6000rpm
トランスミッション=8速F1 DCT
駆動方式=RWD
最高速度=330km/h
0-100km/h加速=2.8秒

フェラーリ 488 ピスタ

エンジン形式=V型8気筒ツインターボ
排気量=3902cc
最高出力=720PS/8000rpm
最大トルク=770Nm/3000rpm
トランスミッション=7速F1 DCT
駆動方式=RWD
最高速度=340km/h
0-100km/h加速=2.8秒

純ICE搭載ハイパフォーマンスベルリネッタ

軽量化を目的に、296 スペチアーレのコクピットは豪華なトリム類を排し、カーボンファイバーやアルミニウム製コンポーネントに変更。センタートンネルがカーボンファイバー製に変更するなど、マッシブな室内空間を実現した。

488 ピスタもインテリアにカーボンファイバーを多用し、助手席側のグローブボックスを取り払うなど、大幅に軽量化している。タコメーターをセンターに配置したメーターディスプレイや、レーシングカーを思わせるステアリングホイールなど、こちらもサーキット走行を後押しする演出にことかかない。

360 モデナをベースとする「チャレンジ ストラダーレ」を皮切りに、「430 スクーデリア」「458 スペチアーレ」、今回取り上げた「488 ピスタ」へと連なるフェラーリのハイパフォーマンスベルリネッタ。最新作の296 スペチアーレでは、ついにハイブリッド化することになった。電動化により488 ピスタから160PSという凄まじいパワーアップを果たしたのである。

パフォーマンスを重視しながらも、「EVモード」では約25kmの航続距離が確保されており、フェラーリは時代に合わせたアップデートを行ったと言えるだろう。ただ、今後、さらなる電動化が進められるなか、(現時点で)最後の純ICE搭載ハイパフォーマンスベルリネッタとなった488 ピスタは、これからさらにその価値を上げていく可能性がある。

車両本体価格

フェラーリ 296 スペチアーレ 5911万円
フェラーリ 488 ピスタ 4036万円(新車当時)

最新フェラーリスポーツカー「296 スペチアーレ」に試乗

フェラーリ最新の超硬派モデル「296 スペチアーレ」の研ぎ澄まされた走りを試乗で体感

フェラーリ最新スポーツカー「296 スペチアーレ」に試乗した。ベースとなる「296 GTB」のポテンシャルを、モータースポーツ由来の技術で極限まで引き上げたモデルである。「スペチアーレ」の名が与えられるのは、「458 スペチアーレ」以来、実に12年ぶりだ。