フェラーリが誇るハイブリッドスーパースポーツ「296スペチアーレ」と「SF90 XX ストラダーレ」の違い
「フェラーリ296スペチアーレ」と「SF90 XX ストラダーレ」のスペックを比較
Ferrari 296 SPECIALE
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Ferrari SF90 XX Stradale
公道走行可能な初のXXプログラム車両
確実にラインナップの電動化を進めるフェラーリは、量産ハイブリットスーパースポーツ「296 GTB」をベースに、走行性能を磨き上げた「296 スペチアーレ」を投入。2025年6月からは日本市場への導入も開始している。一方、2023年6月にデビューした「SF90 XX ストラダーレ」は、フェラーリ初の「XXプログラム」に通じるスパルタンなモデルとして開発されたスペシャルモデルだ。
XXプログラムは、フェラーリのコルセ・クリエンティが統括するサーキット専用車によるサーキットプログラム。ナンバー付き車両として販売されたSF90 XXは、それらのプログラムに参加可能な「FXX」「599XX」「FXX K」といったサーキット専用モデルに比肩する性能を持つスポーツカーとして開発された。
どちらもダウンフォース向上を目的に、専用のエアロダイナミクスを採用。ボディサイズは車格で上まわるSF90 XXが、全長が225mm、全幅が38mm、ホイールベースが50mm大きい。一方で車両重量は296 スペチアーレが150kg軽い。
フェラーリ 296 スペチアーレ
ボディサイズ＝全長4625mm×全幅1968mm×全高1181mm
ホイールベース＝2600mm
車両重量＝1410kg（Dry）
タイヤサイズ＝245/35ZR20（前）、305/35ZR20（後）
フェラーリ SF90 XX ストラダーレ
ボディサイズ＝全長4850mm×全幅2000mm×全高1225mm
ホイールベース＝2650mm
車両重量＝1560kg（Dry）
タイヤサイズ＝255/35ZR20（前）、315/30F20（後）
最高出力1000PSを超える圧倒的なパワー
296 スペチアーレは、大きく手が入れられた3.0リッターV型6気筒ツインターボに、強化型モーターが組み合わせられ、フェラーリ製量産後輪駆動車としては過去最強となる、システム最高出力880PSを発揮。対するSF90 XXは、4.0リッターV型8気筒エンジンに3基のモーターを搭載し、こちらはベースモデルから30PSアップのシステム最高出力1030PSを絞り出す。150PSものパワー差、さらにAWDによる強力なトラクションもあり、0-100km/h加速はSF90 XXが0.5秒も凌駕する。
フェラーリ 296 スペチアーレ
エンジン形式＝V型6気筒ターボ+プラグインハイブリッド
排気量＝2992cc
エンジン最高出力＝700PS
エンジン最大トルク＝755Nm/6000rpm
システム最高出力＝880PS/8000rpm
トランスミッション＝8速F1 DCT
駆動方式＝RWD
最高速度＝330km/h
0-100km/h加速＝2.8秒
フェラーリ SF90 XX ストラダーレ
エンジン形式＝V型8気筒ツインターボ+プラグインハイブリッド
排気量＝3990cc
エンジン最高出力＝797PS/7900rpm
エンジン最大トルク＝804Nm/6250rpm
モーター出力＝233PS
システム最高出力＝1030PS
トランスミッション＝8速F1 DCT
駆動方式＝AWD
最高速度＝320km/h
0-100km/h加速＝2.3秒
覚悟が求められるナンバー付きトラックカー
296 スペチアーレは、コクピットのラグジュアリーな装飾パーツを取り除き、軽量高剛性なカーボンファイバーやアルミニウム製コンポーネントを導入。SF90 XXも、軽量化を目的にドアパネル、センタートンネル、フロアマットなどをシンプル化している。
どちらも、レーシングカーを思わせる頑強なバケットシートに、跳ね馬のロゴが誇らしげに掲げられた4点式シートベルトを採用。サーキット志向ながらも、プラグインハイブリッドモデルの恩恵は残されており、どちらもモーターのみで走行する「eドライブ」モードでは、25kmの航続距離が確保された。
そもそもXXプログラム・モデルは、フェラーリがジェントルマンドライバーを対照に、世界中のレーシングトラックを舞台に開催するトラックイベント用に開発。公道を走れるとはいえ、SF90 XXの主戦場はあくまでもサーキット。296 スペチアーレよりもスパルタンな性格が与えられている。
サーキットアタックを主眼にするのであれば、迷わずSF90 XX。新車時9800万円という価格も、公道走行可能なレーシングカーと考えれば、けっして高くはない。ハイウェイやワインディングロードをメインにしつつ、サーキットを楽しみたいのであれば、296 スペチアーレがベストチョイスになるだろう。
車両本体価格
フェラーリ 296 スペチアーレ 5911万円
フェラーリ SF90 XX ストラダーレ 9800万円（新車当時）
