Rolls-Royce Cullinan Series II
名前の由来は世界最大級のダイヤモンド原石

ロールス・ロイスがSUVに進出するという第一報が駆け巡った時「ロールスよ、お前もか」と思ったエンスージアストは多かったはずだ。しかしその故事を思えば、彼らがSUVを出すことは必然ともいえた。
ロールス・ロイスが誕生した自動車の黎明期。複数人が同時に遠くまで速く確実かつ、簡便に移動できるというのは、特別な人々のみに許された贅沢なことだった。それゆえ1906年にデビューした40/50HP“シルバー・ゴースト”は、豪華さよりも煩雑な変速操作を必要としない豊かなエンジンパワー、そして圧倒的なタフネスぶりから、世界中のVIPたちの信頼を勝ち取り「世界最高の自動車」の称号を得るに至ったのだ。
強固かつ軽量なオールアルミ・スペースフレームの「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」。571PSの6750ccV12ツインターボと8速AT。電磁マルチプレートクラッチを介して0対100から50対50までリニアに前後トルク配分を行うアクティブ・トルクスプリット式の4WDシステム。自動レベリング機能付きエアサスペンション……。「名は体を表す」というが、英国王室にある世界最大級のダイヤモンド原石をその名の由来にもつカリナンには、およそ考えうるすべての最新テクノロジーが注ぎ込まれているといっても過言ではない。


しかも2024年に登場したシリーズIIでは、昨今のロールス・ロイスのトレンドであるイルミネーテッドフェイシアパネルやスピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネットが備わるガラス張りのインパネなど、内外装を中心にさらに「磨き」がかけられている。
想像以上に取り回しがよく走らせやすい



そんなカリナンのキーワードは「無敵」だ。確かに1835mmという全高と2000mmという全幅は戦車のような塊感と威圧感があるが、その全長は5355mmと、今回集まったロールス・ロイスの中では一番短い。よって、その高い着座位置から路上に出るとすべてを掌握したかような気分になる一方、アシストの効いたステアリング、そして後輪操舵もあって想像以上に取り回しが楽で走りやすい。
ほんの軽くアクセルペダルを踏み込むだけで必要にして十分以上のパワーと速度を得ることができるV12と8速ATはBEVのように静かで滑らか。もちろん2725kgという車重と高い車高ゆえ多少のロールは許すものの、高速S字コーナーの切り返しでも姿勢を乱すようなことはなく綺麗な軌跡を描いてみせる。
「世界最高の自動車」の理想像そのもの

無論乗り心地も、車内の遮音も快適性も、そして仕立ても抜群。実際に試したわけではないが、オフロードでの性能も折り紙付きだという。
それはまさしく、創業当初のロールス・ロイスが求めた「世界最高の自動車」の理想像そのもの。もし、映画『アラビアのロレンス』のモデルでシルバーゴーストを愛用したことでも知られるトーマス・エドワード・ロレンス大佐が今も生きていたら、人生に最も必要なものは? という問いに対し、「ロールス・ロイス・カリナンを1台。そこに一生分のタイヤを添えて」と答えることだろう。
REPORT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2026年1月号
SPECIFICATIONS
ロールス・ロイス・カリナン・シリーズII
ボディサイズ:全長5355 全幅2000 全高1835mm
ホイールベース:3295mm
車両重量:2725kg
エンジン:V型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:6750cc
最高出力:420kW(571PS)/5000-6000rpm
最大トルク:850Nm(86.7kgm)/1600-4250rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前255/45R22 後285/40R22
最高速度:250km/h
0-100km/h加速:5.3秒
車両本体価格:47,994,040円~
【問い合わせ】
ロールス・ロイス・モーター・カーズ
www.rolls-roycemotorcars.com/
【車両協力】
ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜
TEL 045-680-4500
https://www.rolls-roycemotorcars.com/yokohama/

