北海道でS:HEVとターボを試す。燃費は?

試乗コースは、スバル研究実験センター美深試験場から旭川空港までの約120kmのルートだ。その前半をS:HEV(2.5L水平対向4気筒+フルハイブリッド+AWD)で、後半をターボ(1.8L水平対向4気筒ターボ+リニアトロニックCVT+AWD)で走った。走行条件はほぼ同じ。特段、エコランを心がけたわけでもなく至極普通のドライブを心がけた。









公道ドライブに出る前に、美深試験場でフォレスターの安全性能をさまざまなカタチで試させてもらった。折しも前日夜からの雪で、路面は真っ白。新雪でのフォレスター(タイヤはオールシーズンタイヤ)の走行性能の高さを味わってからの公道試乗だった。



ふたつのパワートレーンで連続して走ってみたが、走行フィーリングは驚くほど似ていた。同じフォレスターなのだから当然と言えば当然なのだが、クルマの挙動、安心感は見事に揃っていた。ストップ&ゴーが少ない北海道の郊外路だと、たとえば50-60km/hで走行しているときにパワートレーンの違いはほぼ気にならない。


気になる燃費は
S:HEVの燃費は、走行距離54.4kmで18.6km/L
ターボの燃費は、走行距離65.4kmで14.3km/L
だった。S:HEVはターボより30%燃費がいいということになる。


S:HEVのモード燃費は
WLTCモード:18.4km/L
市街地モード15.3km/L
郊外モード20.0km/L
高速道路モード19.1km/L
ターボの燃費は
WLTCモード:13.6km/L
市街地モード10.0km/L
郊外モード14.3km/L
高速道路モード15.5km/L
である。

スバル・フォレスター Premium S:HEV EX
全長×全幅×全高:4655mm×1830mm×1730mm
ホイールベース:2670mm
車重:1750kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rダブルウィッシュボーン式
エンジン
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
エンジン型式:FB25
排気量:2498cc
ボア×ストローク:94.0mm×90.0mm
圧縮比:11.9
最高出力:160ps(118kW)/5600rpm
最大トルク:209Nm/4000-4400rpm
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:レギュラー
駆動用モーター
MC2型交流同期モーター
最高出力88kW(119.6ps)最大トルク270Nm
燃料タンク容量:63L
WLTCモード:18.4km/L
市街地モード15.3km/L
郊外モード20.0km/L
高速道路モード19.1km/L
車両価格:459万8000円













今回の走行では、S:HEVはモード燃費の101.1%、ターボは105.1%だった。郊外モードとの比較では、それぞれ93.0%、100%となる。
ちなみに、WLTCモードの平均速度は
WLTCモード:約36.4~36.6km/h
市街地モード:約18.9km/h
郊外モード:約39.5km/h
高速道路モード:約56.7km/hである。

フォレスターのモニターでは平均速度はわからないが、おそらく今回の北海道ドライブの平均燃費は、40km/h程度だったのだろう。
モード燃費で考えるとS:HEVのほうが
WLTCモード:35.3%
市街地モード:53%
郊外モード:40.0%
高速道路モード:23.2%
燃費がいい。
選ぶならS:HEVかターボか?


















スバル・フォレスター SPORT EX
全長×全幅×全高:4655mm×1830mm×1730mm
ホイールベース:2670mm
車重:1640kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rダブルウィッシュボーン式
エンジン
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
エンジン型式:CB18
排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:177ps(130kW)/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
過給機:ターボ
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量:63L
トランスミッション:チェーン式CVT(リニアトロニックCVT)
WLTCモード:13.6km/L
市街地モード10.0km/L
郊外モード14.3km/L
高速道路モード15.5km/L
車両価格:419万1000円
車両価格は
SPORT EX(1.8Lターボ):419万1000円
X-BREAK S:HEV HEV(ストロングハイブリッド):447万7000円
差額は28万6000円
だが環境性能割がS:HEVだと1%、ターボだと3%だし、エコカー減税による減税分もあるから、価格差はもっと広がる。とはいえ、2026年4月には環境性能割は廃止されるので、ここでは、ざっと30万円価格差があると考えると……
レギュラーガソリン価格:158円/Lで
S:HEVは8.6円/km
ターボは11.6円/km
となる。1km走るのにS:HEVとターボの差は3円。
月1000km走るとして年間12000km。となると12000kmで36000円の差となる。30万円の価格差を燃料代でカバーするとなると、10万km走らないといけないという計算だ。ざっと8年半だ。
都市部のユーザーなら市街地モードで考えるべきだろう。市街地モードでS:HEVは10.3円/km、ターボで15.8円だから、1kmごとに5.5円の燃料代の差額が出る。30万円の価格差は走行距離54500km程度で埋められる。年間走行距離が1万kmなら5年半、8000kmなら7年弱というところだろう。
つまるところ、それぞれのスタイルに依るという当たり前の結論になる。
筆者の場合は、年に15000kmほど走る。平均速度は35.6km/hだから、30万円の価格差は6年半ほどで埋められそうだ。6年後のライフスタイルは想像できないが、それでも東京都内に住んでいるので、S:HEVを選ぶ。
ハイブリッドとターボで、フォレスターの走りの良さに差はないのだから、都市部でなく、郊外に住んで年間走行距離が比較的長く平均速度が高いというスタイルなら、ターボを選ぶ。どちらを選んでもSUVがほしい人にはフォレスターは有力な候補となるのは間違いない。


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