提供範囲を拡大し、工場直販のレストアサービスも開始へ。

ホンダは、過去に販売された旧型スポーツカーを対象とした「ヘリテージサービス「Honda Heritage Works(ホンダ ヘリテージ ワークス)」を、2026年春から日本で開始することを発表、専用ウェブサイトが公開されている。

交換パーツやメーカー認定のレストアサービスを提供する典型的なクラシックカー部門は数十年前から存在していたが、その多くはエキゾチックカー専門だった。ヴィンテージのフェラーリやポルシェが確実に価値を上昇していく時代において、走行可能な状態を維持するために多額の費用をかけることは、経済的にも、そして感情的にも理にかなっているといえる。

ホンダ 初代 タイプR

これまで大手メーカーは追随する動機がほとんどなかったが、状況は変わりつつあるかもしれないのだ。愛好家たちは、ますます煩わしくなるテクノロジーへの飽きや、様々な要因によって、既に所有している車を手放さないことを選択するようになっており、特に本当に優れた車であればなおさらだろう。

そこでホンダが立ち上げたのが、「ホンダ・ヘリテージ・ワークス」という新たな「Honda Restoration Service(ホンダ レストア サービス)」 だ。具体的な作業は、車両のコンディションを良好に保つことを目的に、一部の生産終了車種向けの復刻部品「Honda Heritage Parts(ホンダ ヘリテージ パーツ)」のグローバル供給とこれらの部品を活用したレストアサービスだ。

ホンダ SPORT360

ホンダは既に、ホンダS2000や初代アキュラNSXといった人気モデルの交換部品を提供しているが、来年4月に開設される新部門では、提供範囲を拡大し、工場直販のレストアサービスも開始する。ただし、これらのサービスは少なくとも現時点では日本国内のみで提供される。

発売当初は初代NSXのみが対象となるが、ホンダは将来的に部品供給とレストアサービスを他のスポーティモデルにも拡大していく予定だとしている。S2000が次のステップとなるのは明らかで、初期のプレリュードや、タイプRも最終的にこのリストに加わることは濃厚と言えそうだ。

交換部品は、ホンダヘリテージパーツプログラムの対象となる。ホンダは自社生産とサプライヤーとの共同生産の両方で部品を製造し、オリジナルと同じ材料と製造方法を使用した「純正ホンダヘリテージレプリカパーツ」と、3Dプリンティングなどの新しい材料と製造技術を使用した「純正ホンダヘリテージ互換パーツ」の2つのカテゴリーを提供してくれる。

他の国産メーカーでは、日産も積極的だ。長年にわたりクラシックモデルの交換部品を提供してきたほか、複数世代のGT-Rを対象とした包括的なレストアプログラムも展開している。このプログラムでは、車をボディシェルまで剥ぎ取り、工場出荷時の許容値までレストアし、防錆コーティングと塗装を施した後、ゼロから再構築する。

一方トヨタでは、「KINTOファクトリープログラム」と呼ばれるサービスを提供している。これは一種の公式レストモッドサービスで、ディーラーによるアップグレード、ソフトウェアアップデート、旧車へのレトロフィットなどを提供している。これは最新モデルへの下取りではなく、オーナーは先進運転支援技術、インフォテインメントシステムのアップグレード、パフォーマンスや快適性の向上といった機能を追加できる。このプログラムにより、オーナーは既存の車を少しずつアップグレードできるため、買い替えるのではなく、より長く乗り続けることができるのだ。

新車価格が高騰している現代、今後多くの需要が見込まれるサービスと言えそうだ。