イタリアンデザインと快適性の追求

イタリアンモーターサイクルのMoto Moriniが欧州で発表したCorsaro GTは、単なるスポーツモデルでも単なるツアラーでもない、新たなクロスオーバー スポーツツーリング バイクとして登場した。伝統的な90度Vツイン749ccエンジン を核に据えつつ、高い快適性と長距離走破性、そしてスポーティな走りを兼ね備える。日常の街乗りから高速ツーリングまで、幅広いシーンを一台でこなすという、ライダーの期待とニーズに真っ向から応えるモデルとして設計されている。
Corsaro GTのデザインは、Moto Moriniの伝統的な「Corsaroシリーズ」の美学を受け継ぎながら、ツーリング用途を意識した落ち着いたプロポーションへと進化している。フロントからリアへと流れるラインは滑らかでありながら力強く、空力性能にも配慮された造形が採用された。大胆なフロントフェアリングは風の抵抗を効果的に減らし、調整可能なウインドスクリーンと相まって長距離走行時のライダーの疲労を軽減する役割を果たす。
ヘッドライト、ウインカー、テールランプといった照明系には最新のLED技術が導入され、夜間走行や悪天候時でもクリアな視認性を確保する。メーターには7インチTFTディスプレイを採用し、ナビゲーション統合やスマートフォン連携といった現代的なインターフェースが備わることで、スポーツツーリングバイクとしての利便性を大きく向上させている。
ライディングポジションはスポーツ性能と快適性のバランスを追求したもので、長距離ライドでも疲れにくい設計だ。シートは二分割式で、ライダーとパッセンジャーそれぞれの快適性を高める造形が施されている。また、パニアケース用のマウントが用意されることで、ツーリング用途での積載性にも配慮されている。
749cc Vツインエンジンが織りなすパフォーマンス

Corsaro GTの動力源となるのは、749ccの90度Vツインエンジンだ。このエンジンはMoto Moriniの伝統を受け継ぎつつ、現代の性能要求に応えるべく最適化された水冷4ストロークユニットである。最大出力は約96馬力、最大トルクは約77Nm を発揮し、必要十分なパワーを持つまさにスポーツツアラー向けの性能を備えている。Euro 5+ 規制に対応し、効率と環境性能も高いレベルで両立させている。
この749ccVツインは、スムーズな吹け上がりや中低速域での扱いやすさを特徴とし、街中での軽快な走りから高速道路での安定した巡航まで幅広く対応する。ライダーの意思を敏感に受け止めるスロットルレスポンスは、長時間ライディングでもストレスの少ない特性を持つ。また、A2 ライセンス対応仕様として48馬力バージョンも設定され、若いライダーや免許制限のあるユーザーにも門戸を広げる設計となっている。
スポーツとツーリングの両立

Corsaro GTの車体は、スチールとアルミを組み合わせたミックスフレームを採用し、ねじり剛性と軽量性を両立している。フロントサスペンションには完全調整式倒立フォークを装備し、リアはプログレッシブリンク式モノショックを組み合わせることで、路面状況に応じてしなやかに動く足まわりを実現している。これにより、高速コーナーでの安定性や荒れた舗装路での追従性といった、ツーリングに求められる要素を高いレベルで成立させている。
ブレーキはBrembo製モノブロックキャリパーと大型320mm ィスクを前輪に、255mmディスクを後輪に配置し、ツーリング時やスポーツ走行時でも確実な制動力とコントロール性を提供する。ABS はコーナリング対応の電子制御となり、ライダーの操作を妨げずに安全性を高める役割を果たす。
さらに、トラクションコントロールやライディングモードなどの電子支援システムも装備され、路面状況や走行シーンに応じた最適な制御をライダーに提供する。これらのシステムは単に安全性を高めるだけでなく、スポーツライドとツーリングの双方で高い走りの質を引き出す役割を果たしている。
日常と旅路をつなぐ万能性

Corsaro GTは日常の街乗りや週末のツーリングといった日常使いはもちろん、長距離ツーリングや高速道路走行にも対応する懐の深いキャラクターを持つ。上質な乗り味と高い走破性は、短い距離から長距離までライダーの期待に応え、ツーリングをより豊かな体験へと昇華する。
このバイクは、単なるスポーツモデルやツアラーではなく、「走りと快適性を高次元で融合させたクロスオーバーGT」として Moto Moriniの新たな方向性を示す存在だ。伝統的な V ツインの鼓動、精緻な車体構成、そして快適性と最新技術を統合することで、Corsaro GTはミドルスポーツツアラーの新たな選択肢としてライダーの視野に確かな存在感を放つだろう。
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