伝統を受け継ぐ新たなヘリテイジモデル

BMWが、日本市場向けに限定モデルとして「R12 nineT LIMITED EDITION」を発表した。従来のR nineTシリーズの魅力を継承しつつ、1970年代を代表する名車「R90S」へのオマージュと現代的な装備を融合させたこの限定仕様は、日本国内で45台のみの販売となる。伝統と最新技術が織り成す一台として、ヘリテイジロードスターの魅力をさらに高めた存在となっている。

R12 nineT自体は、BMW Motorradが伝統あるボクサーエンジンとシャフトドライブを採用したヘリテイジセグメント向けとして2024年にデビューしたモデルである。水平対向2気筒の空油冷エンジンと、スチール・チューブラー・フレームにより、古典的なBMWモーターサイクルの魅力を現代的な性能と快適性で体現している。倒立式フロントフォークや新型リアサスペンションなど、快適性と走行性能を高める改良も随所に盛り込まれた特徴的なロードスターとなっている。

こうしたベースモデルの特性を踏襲しつつ、LIMITED EDITIONでは外観と装備の面で個性を前面に押し出した。R nineTが持つクラシックな趣にモダンな味付けを施し、BMWモトラッドファンやヘリテイジ志向のライダーに訴求する一台として仕立てられている。

モダンカフェレーサースタイルの演出

「R12 nineT LIMITED EDITION」の最大の特徴は、70年代の名車BMW R90Sを彷彿とさせるスタイリングだ。フロントには専用のフロントカウルが装着され、シート後端にはリア・セクション・カバーを備えることで、モダンなカフェレーサーテイストを強調したシルエットを形成している。

さらに、ハンドル周りやコックピットの質感も徹底的に高められている。ブレーキレバーとクラッチレバーには「Option 719」のハンドル・レバーShadowⅡを採用し、ミラーにはハンドルバー・エンドミラーShadowを装着することで、ブラック基調の重厚感ある佇まいを演出した。エンジン周りにも専用のシリンダーヘッドカバーShadowを装着し、ライダーおよびパッセンジャー用フットレストにもOption 719パーツを装備することで質感と統一感を高めている。

日本国内45台限定の希少性と価格

「R12 nineT LIMITED EDITION」の日本国内向け販売は、全国のBMW Motorrad正規ディーラーを通じて実施される。限定台数は45台とされ、特別感と希少価値は高い。価格は税込のメーカー希望小売価格で284万6000円となっており、標準装備としてETC 2.0車載器や3年保証が付く。

この限定モデルは他国での販売台数を含まず、日本市場向けの正規ディーラー流通分のみが対象となるため、コレクターズアイテム性も強い。BMWファンやクラシックロードスターを求めるユーザーにとって、他にはない選択肢となるだろう。

伝統と現代の融合が示すBMW Motorradの未来

BMW R12 nineT LIMITED EDITIONは、単なる限定車以上の意味を持つ。BMW Motorradが長年培ってきた伝統を尊重しながらも、現代的な走行性能や装備を取り入れる姿勢を体現している。空油冷ボクサーエンジンという伝統的パワーユニットを核に、クラシックデザインの再解釈と最新技術の融合を図ったこのモデルは、BMWがヘリテイジカテゴリーにおける新たな価値を提示した象徴的な存在だ。

伝統とモダンが共存するR12 nineT LIMITED EDITIONは、BMW Motorradが描く次の時代のモーターサイクル像を垣間見せる一台であり、これからのバイク文化を刺激する存在となるだろう。

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