排気量拡大がもたらすクラス超えの余裕

カワサキはライトスポーツクラスの新たな中核として、「Ninja 500」を日本市場に投入する。発売日は2月28日で、価格は89万1000(税込)。長年にわたり「Ninja 250」「Ninja 400」が築いてきた軽快さと扱いやすさという価値観を継承しながら、排気量を451cm³へと拡大。これにより、従来モデルでは一段上の回転域に委ねていた走行シーンを、より低い回転数で余裕をもってこなせる特性へと進化させた。

水冷並列2気筒エンジンは低中回転域で力強いトルクを発揮し、市街地での発進や再加速を滑らかにこなす一方、高回転域ではスポーツモデルらしい伸びやかな加速感を提供する。最高出力39kW(53PS)は、このクラスにおいて明確な存在感を放ち、日常性と刺激の両立を狙った設計思想を如実に示している。

軽量トレリスフレームが生む自然な操縦性

Ninja 500の走りを支えるのは、250ccクラスをベースに設計された軽量トレリスフレームだ。エンジンをストレスメンバーとして活用する構造により、不要な補強を排しながら高い剛性バランスを確保。装備重量171kgという数値は、数値以上の軽快感をライダーに印象づける。

ショートホイールベースとロングスイングアームの組み合わせは、直進安定性と旋回性の両立を実現し、交差点での切り返しからワインディングでの連続コーナーまで、素直で予測しやすいハンドリングをもたらす。軽さを活かした取り回しの良さは、駐車場での押し引きやUターンといった日常的な動作でも確かな恩恵となる。

Ninjaファミリーの血統を示すデザインと装備

スタイリングは一目でNinjaと分かる精悍なフロントフェイスを軸に構成され、上位モデルを想起させるボリューム感を獲得している。シャープなカウルラインとレイヤードデザインは、スポーティさと質感を両立し、単なるエントリークラスに留まらない存在感を演出する。灯火類にはLEDを採用し、現代的な表情と高い視認性を確保した。

コックピットには高コントラストLCDメーターを装備し、ギヤポジション表示や燃費情報に加え、スマートフォン接続機能にも対応する。走行ログや通知表示といった機能は、ライディング体験を拡張しながらも、操作系自体は直感的で分かりやすくまとめられている。

日常からツーリングまでを一台でこなす資質

ハンドル位置を高め、ステップをわずかに前寄りに配置したライディングポジションは、長時間走行でも身体への負担を抑える設計だ。シート高785mmとスリムな車体構成により、足つき性にも配慮され、体格を問わず安心感を得やすい。燃料タンク容量14Lは十分な航続距離を確保し、通勤や通学といった日常使いから週末のツーリングまで、用途を限定しない汎用性を備える。

Ninja 500は、軽さと扱いやすさを基盤にしながら、排気量拡大による余裕と質感の向上を手に入れたことで、ライトスポーツという枠を超えた完成度に到達した一台と言える。

主要諸元

全長×全幅×全高:1,995mm×730mm×1,120mm
軸間距離:1,375mm
最低地上高:145mm
シート高:785mm
車両重量:171kg
エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ
総排気量:451cm³
内径×行程:70.0mm×58.6mm
圧縮比:11.3:1
最高出力:39kW(53PS)/10,000rpm
最大トルク:43N・m/7,300rpm
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション:常時噛合式6段リターン
駆動方式:チェーン
フレーム形式:トレリス
サスペンション(前):テレスコピック(φ41mm)
サスペンション(後):スイングアーム
ブレーキ(前):シングルディスク φ310mm
ブレーキ(後):シングルディスク φ220mm
燃料タンク容量:14L
乗車定員:2名

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