Mercedes-Benz GLB 200 Sport
異例の3列7人乗りコンパクトSUV

コンパクトSUVながら3列7人乗りというパッケージングで人気の「メルセデス・ベンツ GLBクラス」に試乗した。3列7人乗りというとミニバンが一般的だが、「GLAクラス」と同じMFA2プラットフォームを採用しつつも、ホイールベースをGLAクラスに対して100mm延長したことで多人数乗車を実現している。大袈裟にいうと全長のほぼ全てをキャビンとして使えるミニバンとは異なり、2ボックスのSUVではある程度のボディサイズが必要となるが、スタイリングや走行性能の面で少々窮屈でもSUVを選択したいという向きは多い。
2019年の上海ショーで発表されたコンセプトカーとほぼ同じ姿でデビューを遂げたが、不朽の名作「Gクラス」をうっすら彷彿させるスクエアなスタイリングも人気の秘密だ。日本には2021年に導入され、2023年にマイナーチェンジを受けた。その後、昨年12月にフルモデルチェンジし、2代目となる新型が登場したが、日本への導入はまだ先になるだろう。
全長4660mm、全幅1845mm、全高1700mmというボディサイズは日本市場においてはコンパクトとは言えないが、それでも分類的にはCセグメントSUVである。BMWなら「X1」、アウディなら「Q2」が競合となる。全長4660mmは昨年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した「スバル フォレスター」(4655mm)とほぼ同じだが、いずれも3列シートは備わらない。よって3列目は身長168cm以下の乗員のみが使用可能(安全上)という但し書きがつく。2列目をスライドさせて身を捩って乗り込む必要があり、3列目はあくまで子供用あるいはエマージェンシー用と割り切る必要がある。ちなみに荷室容量は7名乗車時130Lだが、2名乗車時に最大1680Lとなる。
モデル末期のお買い得グレード

本邦における現在のラインナップは、1.3リッター直4ガソリンターボ(136PS、230Nm)+7速DCTの「GLB 180」、2.0リッター直4ディーゼルターボ(150PS、320Nm)+8速DCTの「GLB 200d 4マティック」、そして2.0リッター直4ガソリンターボ(306PS、400Nm)+8速DCTの「GLB 35 4マティック」の3グレードで、GLB 35 4マティックはメルセデスAMGモデルとなる。ちなみにガソリンエンジンにはBSG(48Vマイルドハイブリッドシステム)が備わり、電気モーターのアシスト(10kW、58Nm)も受けられる。
今回試乗したのは昨年8月にラインナップに追加された「GLB 200d 4マティック アーバンスターズ」というAWDディーゼルモデルだ。前述した2代目登場からもわかるように、モデル末期のお買い得グレードである。具体的には追加標準装備として、2025年モデル(MP202502)では、オプションのAMGレザーエクスクルーシブパッケージ(本革内装、アルミニウムインテリアトリム)、AMGエクスクルーシブパッケージ(20インチAMGアルミホイール、スポーツブレーキシステム、アダプティブダンピングシステム付サスペンション、スポーツシートなど)といった合計70万円以上の装備が、32万円ほどで備わる。
車両本体価格は738万円だが、試乗車にはオプションのアドバンスドパッケージ(パノラミックガラスルーフ、ヘッドアップディスプレイ、MBUXインテリアアシスタント、360度カメラシステム)などを装備して、オプションを含む総額は807万1000円となっていた。
日本人の好みの良心的小さな高級車

ドアを開けて乗り込む。室内はメーターパネルとセンターディスプレイの2枚のディスプレイ(10.25インチ)がほんのり古さを感じる。前述のとおりプラットフォームはAクラスと共通のMFA2で、グローバルデビューは2019年だ。当時としては、むしろ大きなディスプレイに先進性を感じたが、この6年余りで小型車にまで急速に大型ディスプレイが浸透したことを痛感する。ちなみに次期型GLBクラスは昨年ジャパンモビリティショーで日本初披露された「CLAクラス」と同じく最新のMMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー)を採用しており、ディスプレイは巨大なMBUXスーパースクリーン(メーター10.25インチ、センター14インチ、パッセンジャー14インチ)も選択できるようだ。
搭載される2.0リッター直4ディーゼルターボエンジンは、最高出力150PS、最大トルク320Nmだが、実際に市街地でステアリングを握るとそのスペックが控えめに感じるほど活発だ。アクセル操作に対するレスポンスも鋭く、車重1860kgをものともせずに加速する。街中も高速道路も動力性能に不満はないだろう。今回は市街地でしかも短時間の試乗に留まったが、グランドツーリング的な使い方をしたらしっくり来ると予感させた。
WLTCモード燃費は15.8km/Lだが、ディーゼルの特性を活かして高速道路を想定したWLTC-Hモード燃費は18.0km/Lに達する。実燃費でもストップアンドゴーの多い市街地撮影中の燃費データが、リッター15km/Lと表示されたので期待できそうだ。ガソリンモデルの「GLB180」(684万円)には試乗していないが、ガソリンの方が出力、トルクともに低く、燃費も劣る(WLTC:14.2km/L)とくれば50万円の価格差が悩ましい。
プラットフォームの古さからくる素朴さを好みと割り切れれば、いざというときに使える3列シート、所有欲を満足させるスタイリング、良好な燃費も相まって、日本人の好みの良心的小さな高級車を体現したコンパクトSUVと言えるだろう。次期型は為替の都合で一気に価格が跳ね上がる可能性が高く、文字通りのお買い得グレードとなるかもしれない。
PHOTO/市健治(Kenji ICHI)
SPECIFICATIONS
メルセデス・ベンツ GLB200d 4マティックアーバンスターズ
ボディサイズ:全長4660 全幅1845 全高1700mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1860kg(パノラミックガラスルーフ装着車)
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1994cc
エンジン最高出力:110kW(150PS)/3400〜4400rpm
エンジン最大トルク:320Nm(32.6kgm)/1400〜3200rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤサイズ:前後235/45R20
車両本体価格:738万円

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