実用車のはずが筑波1分1秒の怪物へ…
ベテランがハマったZC33Sスイスポの実力!
もともとは「便利な移動手段」としてZC33S型スイフトスポーツを購入したという、今回のマシンオーナーであるikuji-さん。しかし、長年クルマ遊びに親しんできた彼を待っていたのは、このクルマが秘める底知れぬポテンシャルだった。

「走らせてみると、想像以上によく走るんです。それで気付いたら、ここまでのタイムアタック仕様になっていました(笑)」と本人は振り返る。
空冷ポルシェをはじめ、SA22CからFD3Sまでの歴代RX-7、さらにはNSXやS2000といったスポーツモデルを乗り継いできたキャリアを持ち、かつては湾岸最高速シーンにも身を置いていた64歳のベテラン。そんな彼が新たに選んだ相棒が、このZC33Sスイフトスポーツだ。新車で購入し、現在は6年目に突入している。


このZC33S最大の特徴は、徹底した軽量化にある。外装にはRISE YOKOHAMA製のドライカーボンパーツを多数投入し、前後ドアをカーボン化することで4枚合計50kg以上の軽量化を実現。さらに、重量わずか2.4kgのボンネットや片側200gのヘッドライトカバー、ドライカーボンライトカバー、フォグ付きフロントバンパーなどを組み合わせている。

加えてヘッドライトの撤去も実施。「エアコンを外すよりも、サーキット走行時にヘッドライトを外してカバーを装着した方が効果的です」と、RISE YOKOHAMAの荻洲さんは語る。こうした積み重ねにより、車重は830kg台にまで絞り込まれている。


エンジンは内部ノーマルを維持しつつ、モンスタースポーツのターボキットとECUチューンを組み合わせ、最高出力は約180psを発揮。インタークーラーにはHKS製を採用し、オイルクーラーはあえて未装着としている。油温が上昇した際は制御介入によるペースダウンを“限界のサイン”と捉え、無理をしない運用を徹底しているのが特徴だ。

足まわりはテインのモノレーシングをベースに、前後とも16kg/mmのMAQs製スプリングを組み合わせたセッティング。リヤにはヘルパースプリングを追加し、フロントは純正アームをベースにフルピロ化することで、サーキットアタックに対応した足まわりを構築している。
ブレーキはGRヤリスRC純正キャリパーに、プロジェクトμ製S2000用2ピースローター(300mm)を組み合わせる。タイヤはアドバンA050GSで、フロント255/40R17、リヤ225/45R17を装着。



徹底した軽量化を追求した結果、室内は完全なドンガラ仕様。シートは運転席のみで、ブリッドXERO XSを装着するストイックな構成だ。ドライカーボンドアの採用に伴い、安全性を考慮して運転席側にはワンオフのサイドバーを追加している。
一方で、ボディ剛性はもともと高く、補強はクスコのリヤピラーバー程度に留められている。

現在は仕様変更直後ということもあり、まだタイムアップの余地を残す状態。目標は筑波1分フラット入りだが、「その先のマシンメイクは目標を達成してから考えます」とikuji-さん。
かつてはパワーで速度を追い求め、現在は軽さでタイムを削る。そのアプローチは変化しても、クルマと真剣に向き合う姿勢は今も変わらない。
●取材協力:RISE YOKOHAMA (ライズヨコハマ) 神奈川県横浜市都筑区川向町922-28
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