CONCEPT AMG GT XX
3500名が熱狂したワールドプレミアイベント

メルセデス AMGは、最新フル電動パワートレイン「AMG.EA」をベースに開発した「コンセプト AMG GT XX」初公開の場として、ドイツ・アッファルターバッハでワールドプレミアイベント「アッファスターバッハ 」を開催した。この日、アッファルターバッハの街はガソリンスタンドをF1のピットレーンに見立て、伝説のAMGモデルがグリッド形式で並べられた。
轟音と共にワールドプレミアイベントが幕を上げ、メルセデス AMG・ペトロナス・F1チームのジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリがステージに登壇。続いてバルテリ・ボッタスと共に登場した俳優のガブリエル・マクトが、新たなメルセデス AMGのブランドアンバサダーに就任したことも発表された。
炎と共に「コンセプト AMG GT XX」が公開されると、会場に集まった約3500名のゲストの熱狂はピークに達する。この後、世界的スーパースターのアリシア・キーズが、イベントのために用意したスペシャルパフォーマンスを披露。さらに、DJパフォーマンスなども行われている。
メルセデス AMGのマイケル・シーべCEOは、コンセプト AMG GT XXの初公開を受けて次のようにコメントした。
「アッファルターバッハはAMGの故郷です。ここは車両を設計し、アイデアが形となり、伝統が進化する場所です。コンセプト AMG GT XXは、この精神と純粋なAMGのDNAを体現しています。自社開発のフル電動アーキテクチャーを採用し、新たな次元のパフォーマンスを切り拓きます。私たちのチームと共に、多くのルーツに囲まれてこの新型モデルを披露できたことは、私にとっても本当に特別な瞬間になりました」
1000kWを超えるフル電動パワートレイン

コンセプト AMG GT XXは、メルセデス AMGが現在開発を行う次世代4ドア量産スポーツカーを予告するコンセプトモデル。3基の軸流モーター、新たにゼロベースで開発された高性能バッテリー「HP.EB(High Performance Electric Battery)」を組み合わせた、革新的なフル電動アーキテクチャー「AMG.EA」をベースに開発され、今後の量産モデルへの導入を予定している革新的技術が数多く搭載されている。
3基の電気モーターは、極めてコンパクトなパッケージから高い出力を実現し、2026年にメルセデス AMGにおいて量産を開始する予定。従来の約2/3の重量でスペースはわずか1/3、このコンパクトなモーターがパッケージングにおいてより多くの自由度を提供するという。
これらの基幹技術は、メルセデス・ベンツAGの100%子会社、英国の電気モーター専門企業「YASA」によって開発。メルセデス AMGは、このアーキテクチャーのパフォーマンスを最適化すべく、ドライビング戦略に関するソフトウェアを開発している。
コンセプト AMG GT XXは、最大出力1000kW(約1360PS)、最高速度360km/hを超えるパフォーマンスを実現。新開発高性能バッテリーと組み合わせることで、3基の軸流モーターは、これまでにない連続出力が可能になった。この新型バッテリーは過酷な走行域においても最適な温度範囲を維持し、ドライビングパフォーマンスだけでなく、超高速充電を可能にした。
コンセプトカーながらも、約5分で航続距離400km(WLTPサイクル)に相当するエネルギーを充電可能。これはアッファルターバッハからスパ・フランコルシャンまでの距離に相当する。しかも充電直後から、即座にフルパワーを発揮することが可能になった。
市販仕様を予告するエクステリア

市販仕様を色濃く予告するエクステリアは、引く構えたフロントボンネット、鋭角に傾斜したフロントガラス、ダイナミックなファストバックスタイルを採用。AMGブランドのシグネチャーである「パフォーマンススポーツ」が体現された。今回、エクテリアカラーは、鮮やかな「サンセットビームオレンジ」がチョイスされている。
フロントグリルは、10本のバーティカル(垂直)ストリップを配置。これまでのモデルよりも楕円フォルムが強調され、凹面形状へと進化。センター部にはメルセデスのスリー・ポインテッド・スターがレイアウトされた。スリムなデイタイム・ランニング・ライトは、グリルの外縁部に埋め込まれ、メインヘッドライト、ロービームとハイビームを上下に重ねた新たなデザインコンセプトが導入されている。
ボンネットに配置された2基のエアアウトレットにはフィンが備えられており、車両前部の水平冷却モジュールから発生する熱気を放散し、冷却用エアフローを最適化。フロントスプリッターは車両の前部を広くカバーし、フロントホイールアーチまで伸びる統合型エアカーテン機能が持たされた。
リヤセクションは、鋭角に切り込まれたエアロダイナミクスエッジと、6基の円形テールライトが個性をアピール。テールライト間に配置された「MBUXフルード・ライトパネル」は、円錐形のサイドウォールを備えたフレームで囲まれ、印象的な奥行きを生み出している。アクティブエアブレーキは、リヤエンドへとシームレスに統合された。
要素を絞ったミニマルなインテリア

インテリアは、レーシングカーのように要素を必要最小限に絞りながらも、ラグジュアリーな質感を提供。ほぼブラックで統一されており、ここにシルバーとオレンジのアクセントを加えることで、ミニマリストなデザインを実現している。高電圧ケーブルから着想を得たインテリアコンポーネントは、AMGの起源であるモータースポーツとの密接なつながりが表現された。
コクピットには2基の統合型LCDディスプレイを配置。10.25インチ・インストルメントクラスターと、14インチ・マルチメディア・タッチスクリーンを介して、車両に関するすべての情報が表示され、様々な操作を行うことができる。ディスプレイは人間工学に基づき、ドライバー側に角度をつけてレイアウトされた。
ステアリングホイールは「AMG ONE」のデザインを踏襲。レーシングカーをイメージし、2本の水平ストリップがデザイン上の特徴となる。ステアリングホイールに取り付けられたパドルは、回生レベルの制御に使用。ステアリングコラムに搭載された8つのLEDによって、回生レベルを表示する。
軽量化を目的に、リヤのカーボンファイバー製バケットシートは、リヤバルクヘッドと完全な一体成型。ルーフヘッドライナーを省略し、カーボンファイバー構造を露出したことで、さらに重量を削減した。各部に配置されたバックライト付きチェッカーフラッグ生地は、モータースポーツへのさらなるオマージュとして導入。フロアカバーは100%リサイクル素材で製造されている。
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