AGLLABOにより製作されたボディキットを装着している。

モンキーBAJA(バハ)はモンキーをベースにオフロードモデルであるXLR250BAJAをイメージして2眼ライトやアップフェンダーなどを装備して発売された。実に1991年のことで、今から34年も前のこと。だが、東京サマーランドで開催された「モンキーミーティングin多摩」の会場には、数多くのモンキーバハが毎回集まる。それほど人気のモデルなわけだが、そのモンキーバハにホンダアクセスから純正アクセサリーとしてボディキットが発売されていた。それがモンキーアフリカと名付けられたもので、外装キットを被せるだけで簡単にモンキーバハが変身する。スタイルはいわばパリ・ダカールラリーに参戦したマシンそのものなのだ。

巨大なタンクを彷彿させる。

モンキーアフリカはボディキットとして販売され、その価格は当時でも10万円を超えた。それゆえ流通数は決して多くなく、いわば幻のボディキットと呼んでいい。今回で17回目となったモンキーミーティングの会場には、そんな希少なモンキーアフリカが数台参加していた。その姿を見て欲しくなるユーザーも多いことだろう。だが、例えば中古のキットがネットオークションなどに出品されたとして、その価格は当時の定価を軽く上回ってしまうことだろう。だったら自分で作っちゃえ!と考える人だっている。

カウルだけ見ればモンキーとは思えない迫力。

今回紹介するモンキーアフリカが、まさにそれ。製作に乗り出したのはAGLLABO(エージーエルラボ)という工房で、現物から型取りした精密な設計。1台目は工房用として製作したが、友人である松永詩音さんから依頼され2台目を製作した。それがこのマシンで、カラーリングまで本物を忠実に再現している。

モンキーバハの上から一体型カウルを被せているだけ。

製作したボディキットは本家と同じようにモンキーバハの上から被せるだけの一体型。モンキーバハのタンクやシート、サイドカバーなどはそのままでOK。上から被せたら金具で固定するだけのお手軽さなのだ。だから巨大なように見える燃料タンクは完全にダミーで、タンク容量はモンキーバハのまま。大冒険ができそうなイメージだが、あくまで見た目優先なのだ。

ダミーの給油口を開くとモンキーバハのタンクキャップにアクセスできる。

AGLLABOが開発したボディキットは無塗装の状態で販売されている。公式LINEかヤフオク!から注文が可能で、そのお値段は22万円ほど。もちろん固定金具などがセットになっているが、塗装は購入者自ら行うか、AGLLABOへ別途依頼することになる。このマシンのように本家そのままのデザインが可能だし、もちろん世界に1台だけのカラーリングにすることだってできる。

テールカウルの上にあるフタを開けると固定金具が現れる。

非常に魅力的なボディキットだが、すでにモンキーバハのオーナーならいいがこれからモンキーバハを手に入れることから始めるとなると、少々敷居が高いかもしれない。何しろ50cc時代のモンキーの中古車は高値安定であり、バハともなると50万円を超えるケースさえあるからだ。欲しくなっても躊躇うところで、それはAGLLABOでも理解している。そこでモンキーバハではなく、現行のモンキー125をベースにする新たなキットを開発している。その後の経緯は直接公式LINEかヤフオク!経由で問い合わせてほしい。

テールランプなどはモンキーバハのまま。

日頃からモンキーバハを愛用している人なら、例えばボディキットを購入して着せ替え人形のように楽しむことだってできる。その日の気分でバハにするか、アフリカにするか変えられるのだから、既存オーナーには朗報だろう。

エンジンはホンダ純正を流用したリコイルスターターとしている。

このマシンと工房用のマシン(下写真左)には、エンジンの始動方法をリコイルスターターとしている。クランクケース左にある取手を引いてエンジンをかけるのだ。これは好みの別れるところだろうが、キック始動でボディキットに傷をつけてしまうことがないため、ある意味オススメかもしれない。使うパーツはホンダ純正なので品質自体も安心できる。

左がAGLLABOのデモ車。

AGLLABOではモンキーアフリカだけでなく、さまざまな製品をリリースしている。中でもデュアルヘッドライトにこだわりモンキー125やダックス125、さらにはCT125ハンターカブ用まで開発している。いずれも現行車なので中古車を苦労して探す手間は不要。なかなかに面白い工房で、毎月第2日曜日に埼玉県の秋ヶ瀬公園でジャンル不問の原付ミーティングも開催している。実車を見るチャンスでもあるので注目したい。