トップフューエルがエスロク用の新型タービン開発に着手!

ユーザー車両でのテストを経て間もなく発売

ホンダ車チューンのオーソリティとして名を轟かす老舗“トップフューエル”。近年ではS660のパワーチューニングに力を注いでいるが、デモカーでテストを重ねてきた200ps仕様は、従来の定番チューンに慣れ切ってしまったオーナー達からの注目度も高く、問い合わせが多く寄せられているという。

今回紹介するのは、そんなハイパワー志向のオーナー達の中から一歩抜きん出るべく開発されたニュータービンを組み込んだS660ユーザーカーだ。

軸となるタービンは、コンパクトながらもエンジン次第では230psを狙えるほどの高風量モデル。このスペシャルタービン(試作版)が完成したタイミングにオーナーである長井さんが偶然居合わせ、そのまま搭載する運びになったそう。

もちろんエンジン本体がノーマルのままではタービンのポテンシャルを発揮できないため、同社のタイムアタック号と同等のスペックへとアップデート。純正ボア径の鍛造ピストンとSNCM総削り出しのI断面コンロッドを組み合わせて腰下を徹底強化したのだ。

シリンダーヘッドも燃焼室マシニング加工を実施。スキッシュを削ったフルサークル形状にすると同時に、容積を約1.56cc拡大。ハイブースト対応の高効率燃焼室をマシニングで作るメニューだ。

ミッドシップというレイアウトが仇となり、熱気がこもりやすく冷却性能を高めにくいエンジンルーム。そこで、トップフューエルは他車種の純正水冷インタークーラーを加工流用するという新たなクーリングチューンを考案。本格的な実走テストはこれからだが、性能次第ではメニュー化されるはずだ。

タービンの性能を活かすためには排気環境の最適化も重要。撮影時は前仕様(ノーマルエンジン+ハイフロータービン)のままだったが、オーバー200psを安定発揮させるために一新するそうだ。

一方のエアロパーツは、M&Mホンダのボディキットを軸に、7PM製エアロボンネットやパワーハウスDTMのアンダーデフューザーをセット。空力や冷却性能、さらにワイドトレッド化によるコーナリングでの安定性など、機能性を考え抜いた仕様だ。

GTウイング本体はボルテックス製で、マウントステーはカーショップリードのFD3S用を加工してバーチカル化。攻撃的なリヤビューを演出する。

ホイールはボルクレーシングTE37ソニックで、タイヤにはサーキット走行を前提にアドバンA052(F205/50R15 R225/50R16)をセレクト。

インパネ周りには、デフィのスポーツディスプレイFや追加メーターなどを見やすくレイアウト。ポジションはOMPの小径ステアリングとレカロRMSで最適化している。助手席には44Gからリリースされているメディアマウンターをセット。スマホなどをマートかつ見やすくマウントできるS660専用アイテムだ。

なお、現在はセッティングを煮詰めている段階とのことだが、すでにブースト圧2.0キロで215psをマーク。シリンダー径が小さくノッキングの起こりにくい軽自動車用エンジンのメリットを活かし、最大ブースト圧をさらに高めれば230ps到達も間違いないだろう。

とはいえ、S660は200psを超えると駆動系が音を上げる可能性が高くなるため、常用は200ps弱に抑え、スクランブルブーストで瞬間的にパワーを引き上げるセッティングとするそうだ。

タービンの価格に関しては現在調整中とのことだが、発売開始は秒読み段階に入ったと考えて間違いない。空前のハイパワーを望むS660オーナー諸氏は、これを機にトップフューエルの門をくぐってみてはいかがだろうか。

●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880

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