BMW M3 Sedan / M3 Touring

3種類のパフォーマンスレベルを展開

BMW M社は、2024年2月にデビューしたM4に続き、M3 セダンとM3 ツーリングの改良新型を発表した。
新型M3 セダン/M3 ツーリングは、2種類の駆動方式(RWD 、AWD)と、3種類のパワーレイベルを展開する3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンを展開する。

2024年2月改良新型が投入された2ドアクーペのM4に続き、M3 セダンとM3 ツーリングにも改良が施され、新型へとアップデート。Mツインパワー・ターボテクノロジーを採用した3.0リッター直列6気筒ツインターボは、3種類のパフォーマンスレベルをラインナップする。

今回、レーシングカーのM4 GT3に搭載されるパワーユニットから様々な技術をフィードバック。クローズドデッキ構造のクランクケースは非常に剛性が高く、軽量設計の鍛造クランクシャフトと組み合わされることで、極めて高いトルク性能を引き出すことが可能になった。また、シリンダーボアにはワイヤーアーク溶射による鉄コーティングが施され、従来の金属鋳造では不可能だったクーラントダクトの最適な配置を実現している。

ベーシックモデルの「M3 セダン/M3 ツーリング」は最高出力353kW(486PS)を発揮し、6速MTを搭載。「M3 セダン コンペティション/M3 ツーリング コンペティション」は、最高出力375kW(517PS)を発揮し、ドライブロジック付き8速Mステップトロニック(AT)を介して後輪を駆動する。

最上位仕様の「M3 セダン コンペティション with M xDrive/M3 ツーリング コンペティション with M xDrive」は、現行モデルから20PS向上した最高出力390kW(537PS)、最大トルク650Nmを発揮し、ドライブロジック付き8速Mステップトロニックと「M xDrive」を介して4輪を駆動する。

M3 セダン コンペティション with M xDriveの0-100km/h加速は3.5秒。0-200 km/h加速は、従来型から0.5秒早い、11.8秒を実現。最高速は電子リミッターにより250km/hに制限されるが、オプションの「Mドライバーズ・パッケージ」を導入すると、セダンが290km/h、ツーリングが280km/hにまで最高速が引き上げられる。

新デザインの前後LEDライトを導入

「BMW M3 ツーリング」改良新型の走行シーン。
矢印型に並ぶふたつの縦型LEDユニットを備えた、新デザインのLEDヘッドライトを導入。リヤにもL字型のデザインのLEDテールライトが配置された。

M3 セダンとM3 ツーリングは、それぞれ異なるボディコンセプトとキャラクターが与えられた。共通するのは、パワフルな3.0リッター直列6気筒ツインターボ、徹底的に追求された冷却性能、走行中に最適なダウンフォースを発生させるアロダイナミクス、そしてレーシーな表情を持つフロントセクションだ。

フロントセクションの中心に特徴的なダブルバーを水平に配置した縦長の大型BMWキドニー・グリルを配置。力強く彫り込まれたホイールアーチ、ハイグロスブラック仕上げのサイドスカート、フロントエプロンの専用アタッチメントパーツなどは、M3を名乗るにふさわしいパフォーマンスを明確にアピールする。

BMW M3 セダンにはカーボンファイバー製ルーフを標準装備。M3 ツーリングは標準装備のルーフレールに合わせて、ルーフもブラックでペイントされた。M3 ツーリングに専用装備されるルーフスポイラーは、エアフローを整えるガーニーフラップが装着される。

新デザインのLEDヘッドライトは機能面でも大幅な進化を遂げた。ロービームとハイビームは同じLEDモジュールによって構成され、矢印型に並ぶ2基の縦型LEDユニットがポジションランプとデイタイムランニングライト、そしてウインカーの機能を担う。リヤセクションにはL字型のデザインの「LEDテールライト」が導入された。

オプションとして、アンチグレアマトリックスハイビーム付き「アダプティブLEDヘッドライト」のチョイスも可能。今回、アーバンライトとコーナリングライト機能を備えたブルーのインレイが採用された。アーバンライト機能を使用すると、ナビゲーションデータによって規制市街地と認識された道路を走行する際、道路脇をライトで照らすことができる。

フラットボトム形状のステアリングを採用

「BMW M3 ツーリング」改良新型のインテリア。
コクピットには、フラットボトム形状を採用した3スポークデザイン「Mレザーステアリングホイール」を標準搭載。M3 コンペティションには、素早いシフト操作を可能にするパドルシフトが装着される。

モータースポーツのDNAを受け継いだインテリアは、新デザインのステアリングホイールと操作系に加え、インストルメントパネルとインテリアトリムエレメントに、洗練された最新マテリアルを導入。これまで以上に走りをイメージした、レーシーなコクピットを実現している。

標準装備の「Mレザーステアリングホイール」は、リム下部をフラット形状とした、シンプルな3スポークデザインを採用。ベースモデルはマルチファンクションボタンと2基の「M」ボタン、コンペティションには、よりダイレクトなシフト操作が可能なパドルシフトが装備される。12時位置にはレッドのセンターマークも入れられた。今回、同じデザインと機能を備えた「Mアルカンターラステアリングホイール」もオプションとして用意されている。 

BMWカーブドディスプレイは、ステアリングホイール奥の12.3インチディスプレイと、14.9インチコントロールモニターで構成。インフォメーションスクリーンとコントロールモニターには、Mモデル専用グラフィックとコンテンツが用意された。車内で様々な操作を行うことができるインフォテイメントシステム「BMW iDrive」は、最新の「BMWオペレーティングシステム8.5」へとアップデートされている。

電動調整機能、一体型ヘッドレスト、イルミネーション・モデルロゴを備えた「Mスポーツシート」を標準装備。メモリー機能により理想的なドライビングポジションをシートへと記憶させることができる。運転席と助手席のシートヒーターも標準装備され、オプションでシートベンチレーションを追加することも可能だ。 

オプションのフル電動調整ヒーター付き「Mカーボンバケットシート」は、モータースポーツ由来の機能性と軽量デザイン、長距離走行に耐える高い快適性を兼ね備える。シートとバックレストにCRP素材を使用し、サイドボルスターとヘッドレスト下部をカットアウトすることで、標準の「Mスポーツシート」と比較して9.6kgもの軽量化を実現した。 

新型BMW M3 セダン/M3 ツーリングを動画でチェック!

専用チューンが施された「BMW M4 CS」の走行シーン。

軽量バージョン「BMW M4 CS」がデビュー「M4 コンペティションから20kg軽量化」【動画】

BMW M社(BMW M GmbH)は、ハイパフォーマンスクーペ「M4」の特別仕様車「M4 CS」を発表した。専用のシャシーチューンが施され、3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンの最高出力は550PSに向上。エクステリアにはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントが導入された。M4 CSの受注は2024年5月下旬からスタートし、7月からドイツ・ディンゴルフィングで生産される。