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今日は何の日?■ソリオの若者向けバージョンとして登場したソリオバンディット
2012(平成24)年6月28日、スズキは小型ハイトワゴンとして人気を誇る「ソリオ」の2代目をベースにした派生車「ソリオバンディット」を発売した。ソリオバンディットは、パワートレインはソリオと共通だが、若者をターゲットにスポーティさや力強さを意識したデザインとしている。

ソリオ誕生までの進化の過程
ソリオは、もともと大ヒットした軽ハイトワゴン「ワゴンR」をベースにした小型ハイトワゴンである。その進化の過程は、以下の通り。


・ワゴンR(1993年~):軽のハイトワゴンという新しいジャンルを開拓して大ヒット。
・ワゴンRワイド(1997年~):ワゴンRをベースにした小型車。拡幅した新型プラットフォームにワゴンRをベースにした拡大ボディを載せ、部品の共通化を図るなどして低コストなコンパクトカーに作り上げた。
・ワゴンR+(プラス)(1999年~):世界戦略の小型車を目指したハイトワゴン。「ワゴンRプラス」と改名し、GMとの提携強化後に進めた技術交流の成果を反映させながら、世界市場を視野に入れたコンパクトカーを目指した。
・ワゴンRソリオ(2000年~):1.3Lエンジンを搭載して走りを強化。最高出力70psを発揮する1.0Lエンジンに加えて、88psの高性能なオールアルミ製1.3L直4 VVT付DOHCを搭載したスポーティなモデルを追加し、中・低速域から高速域まで扱いやすく、ゆとりある走りが楽しめた。
・初代ソリオ(2005年~):ソリオの単独車名となり初代ソリオが誕生。マイナーチェンジで車名からワゴンRが外され、「ソリオ」の単独車名となった。ファッショナブルなスタイリングとなり、インテリアは運転姿勢をサポートするシートリフターなど上質化が図られた。


低燃費と広い室内スペースを実現した2代目ソリオ

2011年1月、モデルチェンジして2代目ソリオがデビュー。2代目は、脱ワゴンRが図られ、新開発のプラットフォームを採用し、ワゴンRとは明らかに違うスタイリングとなり、完全に新しいモデルに生まれ変わった。
初代に対して全長は165mm伸び、全幅は同じだが全高は100mm高い1765mmに設定。しかし、水平基調のフロントグリルやリアコンビランプ、前後バンパーなどによって、全体としてはバランスの取れたスタイリングとなった。
また、初めて両側スライドドアを採用したことで、低いステップ高と余裕あるドア開口幅と高さ、さらにクラストップの室内スペースの広さが大きなセールスポイント。パワートレインは、最大出力91ps/最大トルク12kgmを発揮する1.2L直4 VVT付 DOHCエンジンと副変速機構付CVTの組み合わせで、クラストップの燃費22.5km/L(10/15モード)を達成した。
その後、マイルドハイブリッドの追加や安全運転支援機能を充実させるなどして人気を獲得し、スイフトとともにスズキの登録車の看板モデルへと成長した。
ソリオベースの派生車ソリオバンディット

2012年6月のこの日デビューした「ソリオ バンディット」は、若者をターゲットに斬新で圧倒的な存在感を持つ専用のデザインを採用。専用デザインのディスチャージヘッドランプに、フロントのアッパーおよびロアグリルにピアノブラック塗装を施し、さらにダイナミックなフロントファイスとリヤバンパー、専用15インチアルミホイールなどで、全体として若者が好みそうな力強い、そしてスポーティなイメージが演出された。

インテリアは、ブラック基調のインパネおよびドアトリム、本革巻きのステアリングホイール、ストライプ柄の専用ファブリックシートを採用。そのほか、リモート格納ミラーや防眩式ルームミラー、時間調整付フロント間欠ワイパーが装備された。

その他、基本構成やパワートレイン、安全運転支援技術などはソリオと同じ。車両価格は、168.315万円(2WD)180.6万円(4WD)、アイドルストップ仕様の2WDが177.765万円に設定された。その後、マイルドハイブリッドに加えてハイブリッドモデルも追加され、ソリオバンディットもソリオとともに人気を博している。

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ソリオは、三菱の「デリカD:2」としてOEM供給されている。「デリカD:5」や「デリカミニ」で人気のデリカシリーズの一角を担って、三菱車としても順調に売れている。
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