グリスロの新たな活用の可能性や、観光体験価値のさらなる向上に繋がる手応えを得た

京都市北西部に位置する衣笠エリアは、かつて日本画家の巨匠・木島櫻谷をはじめとした多くの芸術家が集い、「絵描き村」と呼ばれた芸術文化の盛んな地域だった。そこにキャンパスを置く立命館大学は、2026年春のデザイン・アート学部新設を機に「KINUGASA Redesign Project」をこの春始動。京都市や近郊の社寺仏閣、美術館などと連携し、アートを軸にした地域の新たな価値創出を目指している。

その取り組みの一環で、同大は6月第1日曜を「アートの日」とし、アートにまつわるさまざまな企画を衣笠エリア各地で展開する「衣笠アートヴィレッジ フェスティバル」を今年初開催した。ヤマハはこのフェスティバルにおいて、衣笠エリアをひとつの「アートヴィレッジ」として楽しんでもらうための「周遊企画」の一環として、フェスティバル参加者の快適な移動と体験価値の向上を目的に、グリスロの運行で支援・協力。広いエリア内を快適に楽しみ、普段とは違った視点で地域の魅力を感じてもらおうと、同大の衣笠キャンパスと、協力施設のひとつである仁和寺でグリスロの乗車ツアーを実施した。

衣笠キャンパスでは、定時・定ルートで運行するグリスロによるキャンパスツアーを実施。グリスロと連動させたオリジナルのガイドアプリで、「絵描き村」として知られる衣笠エリアの魅力や衣笠キャンパスの特色を紹介。

仁和寺では、立命館大学の神社仏閣ガイドサークルのメンバーが各車両に乗り込み、ガイドを務めた。起伏もある境内をゆったり周り、寺院の歴史や建築、仏像、庭園、文化財など、さまざまな見どころを解説。

乗車ツアーに参加した方は「学生ガイドの丁寧で興味深い説明と、グリスロのゆったりとした走行、さらに自然を感じられる開放的な乗り心地がとてもよく調和していて、心地よい時間を過ごせました」と笑顔を見せた。

今回の取り組みを通じてヤマハは、グリスロの新たな活用の可能性や、観光体験価値のさらなる向上に繋がる手応えを得た。京都におけるインバウンド観光の課題解決に向けて、今後同社は、グリスロを活用したMaaS(※)の仕組みによる周遊性の向上も視野に入れ取り組んでいく方針だ。
※MaaS=Mobility as a Service。複数の公共交通機関やその他の移動手段を検索、予約、決済まで一括で利用できるサービス