SNSで見て惚れたスタイルをオマージュ!

イシカワボディ製のキットを組み込んだ迫力のスタイル

「欲しいクルマは全て手に入れる男」。そんな異名を持つほど、あらゆるカテゴリーのマシンを乗りこなすNOB谷口選手。GTカーから旧車、Kカーまで、興味を持ったクルマは必ずと言っていいほど所有してきた。そんな谷口選手が「一生乗れる180SXを作りたかった」と語る一台が、ついに完成した。

ドリフト練習用にもう1台180SXを持つ谷口選手だが、今回のマシンは完全ストリート仕様。製作のきっかけは、SNSで偶然見かけたビルダー「イシカワボディ」のデモカー。「むちゃくちゃカッコいいじゃん!」と一目惚れし、すぐさま連絡。本人に了承を取り、そこから6年がかりのプロジェクトが始動したのだ。

お手本としたのはイシカワボディの180SXだが、もちろん単なるレプリカではない。ストリートで快適に走れる仕様であることが大前提。極端なロワード仕様だったイシカワボディ号に対し、谷口選手の180SXは実用性と走りを考慮した“動ける低さ”を追求している。

外装はイシカワボディのワイドフェンダーを軸に構成し、補助的にボルドワールドのリフターも導入。ホイールは当時のイシカワボディ号と同じZ34ニスモ純正19インチをインストール。フロントは255/30R19という絶妙なバランスで、まさに“正統派ツライチ”に収められている。

そして注目すべきは、サイクルフェンダー化+メンバー上げによるシャコタン対応。エンジン、ミッション、デフのメンバー位置を約20mm上げ、見た目以上にしっかり走れる実力派ストリートカーへと昇華されている。

エンジンは可変バルタイを求めてS15用のSR20DETに変更。そこにHKS GT4135タービンをセットし、電スロも含めてLINKで制御。さらにマシンメイクを担当したNステージお得意のワイヤータックですっきりとしたエンジンルームを構築している。

電スロ化に至ったのは、サイクルフェンダー化によってアクセルペダルの取り付けなどに制約があったことも一因とか。同様に助手席側はエアコンのユニットの移設などに手間がかかったそうだ。

マフラーもHKSがベースだが、落ち着いた雰囲気を狙ったデュアル出しのワンオフ品。エキマニはHKS、フロントパイプはHPIをチョイス。

シートはアルカンターラ+レザーを組み合わせたブリッドの特注仕様。それに併せてドアの内張りやトランクボードも同じ素材で張り替えている。

ステアリングは、超軽量なナンバー7のドライカーボンステアリング。チェッカーフラッグ柄の織り目も美しいが、重量も400g前後と非常に軽量で機能美溢れる逸品だ。

オリジナルへの敬意を忘れず、ストリートで楽しむための実用性を持たせつつ、ここまでの完成度を実現したマシンはそうそう存在しない。スタイル・快適性・パフォーマンスのすべてを高次元で両立。まさに“谷口流ストリート最終形”と呼ぶにふさわしい180SXが、今ここに誕生したのだ。

●取材協力:Nステージ 神奈川県横浜市港北区新吉田町526 TEL:045-548-8776

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