Lamborghini few-Off Models

レヴェントンに続いたフューオフモデル

ランボルギーニの「few-Off」モデル、レヴェントン。
2007年に発表された「ランボルギーニ レヴェントン」は、ランボルギーニ初のフューオフモデルとして開発された。

ランボルギーニは、1963年以来、独自のスタイルに強烈なパフォーマンスを組み合わせた希少なモデルを数多く輩出してきた。スーパースポーツの量産体制を確立した近年も、少数生産フューオフモデルは高い人気を集めている。その第1弾としてデビューしたのが、2007年のレヴェントンだった。

レヴェントンは、ランボルギーニ・チェントロ・スティーレによって完全にデザインされた最初の生産モデルであり、世界初となる少数限定生産コンセプトを導入した。レヴェントンは「セストエレメント」「ヴェネーノ」「チェンテナリオ」「シアン」そして「カウンタック LPI 800-4」など、アイコン的な地位を確立した限定モデルへの道を開いたと言えるだろう。

これらフューオフモデルは、ブランドの重要な瞬間を祝うだけでなく、後に量産モデルへと導入されることになる先進的な技術・デザインを採用していた。ランボルギーニは、2025年のモントレー・カーウィークで新たな最新フューオフスーパースポーツの発表を控えている。

ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン会長兼CEOは、フューオフモデルについて次のようにコメントした。

「フランクフルト・モーターショーで最初の『フューオフ』モデルであるレヴェントンを初披露した時のことを、よく覚えています。このクルマはその後続くフューオフモデル同様、ランボルギーニブランドの高級感をさらに強化することになりました。極めて限定された台数のみが生産され、パフォーマンス、カスタマイズ、独自性の面でランボルギーニの歴史における重要なマイルストーンとなってきたのです」

アヴェンタドールへと繋がる「レヴェントン」

ランボルギーニの「few-Off」モデル、レヴェントン。
レヴェントンに採用されたカーボンファイバー技術やコクピットの液晶ディスプレイは、アヴェンタドール以降の量産モデルへも導入されることになった。

わずか20台のクーペと15台のロードスターが製造されたレヴェントンは、航空機を彷彿とさせるデザインで自動車業界にセンセーションを呼ぶことになった。カーボンファイバー強化材(熱硬化性マトリックス複合材)とスチールで構成されたハイブリッドシャシーに、ボディパネル全体をカーボンファイバー複合材で構成された初のモデルとして開発された。

これらの技術は後にアヴェンタドールへと採用され、ランボルギーニ初のフルカーボンファイバー・モノコックシャシーとカーボンファイバー製ボディパーツを備えた量産モデルへと進化した。さらに、レヴェントンはインストゥルメントパネルに3基の液晶ディスプレイを搭載した初のランボルギーニでもあった。この機能もアヴェンタドールから量産モデルへと導入されている。

「レヴェントンは、2000年代初頭に手がけた中で最も好きな1台です。デザインとコンセプトの両面で革命的な車両であり、ランボルギーニを、限定車両を生産するメーカーへと進化させました」と、ランボルギーニのデザインディレクター、ミティア・ボルケルトは振り返る。

「セストエレメント」に導入された先進素材

ランボルギーニの「few-Off」モデル、セストエレメント。
2010年に発表された「セストエレメント」は、サイロシックやフォージドコンポジット技術が導入され、1トンを切る車両重量を実現した。

2010年のパリ・サロンで発表された「セストエレメント」は20台のみを限定生産。車両重量わずか999kgで、1.7kg/PSという驚異的なパワーウエイトレシオを実現した。マグネシウムやエキゾーストシステムに採用された不燃性素材「Pyrosic」など、先進の超軽量複合材料が多用された。

シャシーとボディはカーボンファイバーで完全成形され、新開発のフォージドコンポジット技術を含む、これまで自動車に導入されてこなかった先進素材も導入された。この技術はランボルギーニが特許を取得し、後に「ウラカン ペルフォマンテ」などのエクステリアパーツにも採用され、現在ではレヴェントンを構成する構造技術のひとつとなっている。

【ランボルギーニ ヒストリー】車重999kgを実現したスーパーライトウェイトスポーツ!

V10+AWDながら1tを切る超軽量スーパースポーツ「セストエレメント」(2010)【ランボルギーニ ヒストリー】

ガヤルドの成功により経営が安定したランボルギーニは次々と野心的なコンセプトモデルを発表する。中でも第6元素「C=炭素」を意味する車名が与えられたセストエレメントは、車重僅か999kgを実現したスーパーライトウェイトスポーツだった。

空力を徹底的に追求された「ヴェネーノ」

ランボルギーニの「few-Off」モデル、ヴェネーノ。
2013年に発表された「ヴェネーノ」は、公道走行可能なトラックカーとしてエアロダイナミクスが徹底的に追求された。

2013年のジュネーブ・ショーで公開された「ヴェネーノ」は、エアロダイナミクスを徹底的に追求した少量生産モデルだ。「公道走行可能なトラックカー(=サーキット専用車)」として開発され、アヴェンタドールのメカニカルポテンシャルとV型12気筒エンジンを最大限に活用。先進的な空力ソリューションが数多く導入されている。

複雑なデザインは、特に高速域において効率とダウンフォースを最適化するように設計。モノコック、ダッシュボード、シート、ヘッドライナーに、特許取得のカーボンファイバー新素材「カーボンスキン(CarbonSkin)」が採用された。フロントからリヤまで、すべての空力パーツがパフォーマンスを追求しており、パワーウエイトレシオは1.93kg/PSという驚異的な数値を叩き出している。

また、3段階に設定可能なリヤアクスルのウイング荷重調整システムを、ランボルギーニとして初採用。このシステムは、その後、アヴェンタドール SVJやウラカン STOなどに搭載されている。

【ランボルギーニ ヒストリー】限定3台、邦貨約4億円を掲げたヴェネーノ

300万ユーロの限定ランボルギーニ「ヴェネーノ」はたった12台の激レアモデル(2013)【ランボルギーニ ヒストリー】

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フェルッチオ生誕100周年記念モデル

ランボルギーニの「few-Off」モデル、チェンテナリオ。
「チェンテナリオ」は、フェルッチオ・ランボルギーニの誕生100周年を記念し、2016年に発表された。

2016年に創業者のフェルッチオ・ランボルギーニの誕生100周年を記念し、テクノロジーとデザインの先進性を追求した「チェンテナリオ」が、ジュネーブ・モーターショーにおいて発表された。

チェンテナリオのパワーユニットは、アヴェンタドールの6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンをベースに最高出力770PSを発揮。販売台数はわずか40台で、クーペ20台とロードスター20台が製造された。ランボルギーニ初となる、センターインフォテインメント・タッチスクリーンを採用し、デジタル化における重要なステップを踏むことになった。

また、ランボルギーニ初のリヤ操舵システムを搭載。このシステムは後にアヴェンタドールSにも導入され、低速から高速まで圧倒的なハンドリングパフォーマンスを実現した。

【ランボルギーニ ヒストリー】カーボンボディパネルで武装した限定モデル、チェンテナリオ

全身カーボンのランボルギーニV12「チェンテナリオ」は創始者の生誕100周年記念車(2016)【ランボルギーニ ヒストリー】

ランボルギーニブランドを創設したフェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年を記念して生まれたのがチェンテナリオだ。全身にカーボンパネルを纏った限定車を解説する。

電動化の先鞭をつけた「シアン」

ランボルギーニの「few-Off」モデル、シアン FKP 37。
2019年のジュネーブで公開された「シアン」は、初のハイブリッドパワートレインを搭載した。

2019年のジュネーブ・モーターショーにおいて、ランボルギーニは「シアン FKP 37」をワールドプレミアした。ランボルギーニ初の電動パワートレインを搭載した車両であり、6.5リッターV型12気筒エンジンにスーパーキャパシタを搭載した電気システムが組み合わされた。シアンに採用された特徴的なY字型デザインエレメントは、のちのレヴエルトのヘッドライトにも採り入れられている。

デビュー直前、フォルクスワーゲングループのフェルディナンド・カール・ピエヒ会長が亡くなったことを受け、氏のイニシャルであるFKPと、出生年である1937年を意味する37の数字からなる「FKP37」がシアンの車名に加えられた。

ランボルギーニ初の公道走行可能なハイブリッドスーパースポーツ「シアンFKP 37」【ランボルギーニ ヒストリー】

ランボルギーニにとって初のオンロード走行が可能なハイブリッド車「シアンFKP 37」。アヴェンタドールとほぼ共通のセンターモノコックをコアに設計され、ミッドに6.5リッターV型12気筒DOHC自然吸気を搭載し、エレクトリックモーターを組み合わせる。システム最高出力818PSを発揮する電動化新時代を告げたハイブリッドスーパースポーツを解説する。

2021年、カウンタック LP500のデビュー50周年を記念し、ランボルギーニは「カウンタック LPI 800-4」を発表。新世代カウンタックは、シアンに搭載されたハイブリッドアーキテクチャをベースに、初代をオマージュし、V型12気筒エンジンを縦置きで搭載した。主な革新技術にはシンプルな操作で透明に変化する「フォトクロミックルーフ」と、3Dプリントされたインテリアのエアベントなどがある。

「カウンタック LPI800-4」は残念ながらシリーズモデルではなく112台限定車だ。台数は初代カウンタックの開発コードがL112に由来する。

30年以上の時を経て現代に甦った「ランボルギーニ カウンタック LPI800-4」【ランボルギーニ ヒストリー】

同じネーミングを繰り返し使うことを避けてきたランボルギーニが、30年以上の時を経てカウンタックの名を現代に復活させた「カウンタック LPI800-4」。アヴェンタドールと同様のカーボンファイバー製モノコックに、6.5リッターV型12気筒自然吸気を搭載。48Vのエレクトリックモーターを備えるマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる最新版カウンタックを解説する。