シンプルなルックスの標準車 アグレッシブ顔のクロス

日産自動車と三菱自動車が50%ずつの出資を行なって2011年に設立された軽自動車開発の合弁会社は、Nissan Mitsubishi Kei Vehicleで頭文字を取って〝NMKV〞と名付けられた。ここで開発と生産が行なわれるのが、日産デイズとの兄弟モデルである三菱のeKシリーズだ。

エクステリア

「ダイナミックシールド」と呼ばれる顔つきや力強い前後バンパー、斜めに切れ上がるウエストラインが躍動感を醸し出している。ルーフレールは「Premium」系にオプション設定。最小回転半径は4.8m。

いわゆる〝軽ハイトワゴン〞に属するモデルとして紹介される「eKワゴン」とそれをベースにSUV風味の強いデザインで仕立てられた「eKクロス」の現行モデルは、ともに19年の登場。eKクロスには22年になって、ピュアEVバージョンであるeKクロスEVも追加設定されている。

インストルメントパネル

ピアノブラック調センタークラスターや青を配したメーターパネルが印象的。eKクロスは本革巻き、eKワゴンはウレタンステアリングが標準。eKワゴンの「M」を除き、操作性に優れたタッチパネル式フルオートエアコンを標準化。

シンプルで多くの人に抵抗なく選んで貰えそうなデザインのeKワゴンとは裏腹に、デリカD:5のそれを彷彿とさせるeKクロスの顔つきはかなりアグレッシブで個性的。その分、好き嫌いは大きく分かれそうな一方で、ライバルたちとは明確に一線を画したその仕上がりは、eKクロスの最大の特徴と言える。

居住性

街乗りでのひとり乗りシーンでは自然吸気エンジン仕様でもまず不満は感じなかったものの、後席にも人を乗せたり、高速道路に乗り込むシーンではeKクロスに設定されるターボ付き仕様の動力性能が魅力的と思えたのは事実。

うれしい装備

月間販売台数    833台(24年7月~12月平均値)
現行型発表    19年3月(一部改良 24年8月)
WLTCモード燃費  23.3㎞/ℓ※eKクロス「G」系のFF車

ラゲッジルーム

時に揺すられ感が強めな一方で、走りのしっかり感は全般に高く、同時に軽自動車の中にあってはブレーキのペダルタッチに優れているのは、eKシリーズに共通する美点と言って良さそうだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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