直近の一部改良で仕様が向上 個性派「タフワイルド」も注目

どんな商品でも、大ヒットの次のモデルは難しいと言われるが、ハスラーは2020年1月に発売開始された1代目も変わらず人気を博している。デザインで魅せる、パッと見の方向性は同じだが、ワゴン&SUVのクロスオーバー車として登場した初代よりもアウトドア感が強められ、それに合わせて装備も充実した、正統進化の実力派だからだろう。とはいえ、街中ユースのみという方も多いと思うし、日常使いを考えると、24年5月の一部改良で、快適性がよりアップしたのは見逃せないうれしいニュースだと思う。

エクステリア

グレードによりアルミホイールとスチールホイールの違いはあるが全車が15インチタイヤを履く。リヤバンパーに装備されるめっきガーニッシュは「タフワイルド」の専用品。最小回転半径は4.6m。

まず、LEDヘッドランプを全車標準装備としたほか、グレードにより「ナノイーX」搭載のフルオートエアコンや360度プレミアムUV&IRカットガラス、シートバックアッパーポケットなどが採用された。特に、最近の寒暖の厳しさを考えると、エアコンがグレードアップしたことと、ハスラーに乗っていればとりあえず安心だと思える、プレミアムUV&IRカットガラスは、超うれしいポイントだと思う。気忙しい毎日の通勤や、汗で日焼け止めはどこかへ流れた猛暑の夏場など、助かるシーンはいくらでも考えられる。

乗降性

またコネクティッド機能の充実は無論のこと、外装にめっきパーツが増えたり、内装にはダークグレーのレザー調&ファブリックシート表皮やブラックパールのインパネカラーガーニッシュなどを採用し、全体的な質感がグッと増しているのもイイ。そういう方向へ進化が果たせたのも、新たに設定された「タフワイルド」の存在があるからかもしれない。こちらは、ルーフレールなどが装着され、シート表皮やドアトリムクロスが撥水加工されるなど、元々ハスラー誕生時から採用されていたワイパブル仕様の荷室や、荷室下の防汚タイプラゲッジアンダーボックスと併せて、さらにガシガシ使える仕様になっているからだ。

インストルメントパネル

上下をフラットにしたサークルモチーフを3つ並べたインパネは遊び心を感じさせるもの。メーターは速度計+カラーディスプレイで構成、必要な情報が見やすいデザインだ。

そんな多方向への進化を支えているのは、ハスラーが実際にキチンと走れるクルマという素地があるから。2代目誕生時からプラットフォームが新世代となり、搭載されるエンジンは自然吸気が新開発。ターボを含めすべてマイルドハイブリッド化されたために、どんなシーンでも乗りやすくなった。

居住性

マイルドハイブリッド化された自然吸気エンジンは、物足りなさはまったくなく、日常領域でとても使いやすいものとなっていて、もはやこれでも十分である。発進時からダイレクトにパワーコントロールができるようになり、剛性感が感じられるボディと軽快なクルマの動きが相まって、ドライバーが思ったとおりに操りやすいのだ。その一方で、ターボモデルも捨てがたい。先代からホイールベースが35㎜延び、左右乗員距離も30㎜延びた室内は、もはや軽自動車とは思えないほど余裕たっぷり。荷物もたくさん積んでロングドライブに出掛けようというシーンとなると、やはりターボ×4WDで悪路も悪天候も心配ナシという、安心感も欲しくなる。

うれしい装備

上級グレードには左右にシートバックテーブルを標準装備。ドリンクホルダーも備えるテーブルの耐荷重は2.0㎏と余裕がある。
月間販売台数      7306台(24年7月~12月平均値)
現行型発表       19年12月(一部仕様変更 24年5月)
WLTCモード燃費     25.0㎞/ℓ ※自然吸気のFF車

ラゲッジルーム

安全装備はフル装備だし、LEDヘッドランプ全車標準装備で視界も良好。日常とレジャーシーンを扉一枚でつないでくれる、ハスラーの立ち位置はよりしっかりと光っている。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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