独特な存在感を放つデザイン 柔軟な乗り味も好感触

今の軽乗用車では、全高を1600㎜以上に設定した車種が圧倒的に多い。全高が立体駐車場を使いやすい1500㎜以下に収まる車種は少数だが、ラパンはその1車になる。

エクステリア

体的には四角いが、角を丸めたかわいらしいフォルム。「ラパンLC 」系はグリルデザインが個性的で、「X」にはクラシカルな14インチアルミホイールも備わっている。最小回転半径は4.4m。

ボディサイズはアルトと等しいが、内外装は大きく異なる。ラパンは女性に向けて開発され、ボディの各部を丸く、柔和な雰囲気に仕上げた。現行型は3代目だからデザインも熟成され、独特の存在感も漂わせる。

インストルメントパネル

上品な木目調パネルやファブリックを使用し、落ち着きのある色遣いも相まって快適なリビング感覚を演出。センターに備わるディスプレイオーディオはオプション設定だ。

内装はリラックスできる雰囲気だ。インパネは水平基調で、手前を少し張り出させた。この部分が上級の「X」では木目調になり、テーブルのように見える。助手席の前側には、ボックスティッシュが収まる引き出し式の収納設備も備わり、これも家具を連想させる。シートの座り心地は前後席ともに柔らかい。長距離を移動するなら腰の近辺をもう少し硬くつくり込んでほしいが、車両の雰囲気には合っている。

居住性

車内は意外に広く、身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先には握りコブシがふたつ半に収まる。短距離の移動なら4名乗車も行なえる。FFの車両重量は680㎏なので、ターボは装着されないがパワー不足を感じにくい。WLTCモード燃費は26.2㎞/ℓと優秀だ。乗り心地は快適で、カーブを曲がるときはボディが大きめに傾くが、街中を穏やかに走るなら不都合はない。

うれしい装備

メーター内のマルチディスプレイには、ウサギのキャラクターがさまざまな形で登場し、メッセージを表示。
出力2.4A のType-A、出力3AのType-CのUSBポートを標準装備。スマホなどを素早く充電できる。
月間販売台数     2087台(24年7月~12月平均値)
現行型発表      15年6月(一部仕様変更 23年11月)
WLTCモード燃費    26.2㎞/ℓ※FF車

ラゲッジルーム

視界も優れ、外観が水平基調だからボンネットもよく見える。ボディの先端や車幅がわかりやすく、最小回転半径も4.4mだから、運転のしやすさは軽自動車の中でも最高峰だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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