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今日は何の日?■インプレッサ4代目にハイブリッドモデル追加
2015(平成27)年7月10日、スバルは2011年にデビューした4代目インプレッサの「インプレッサスポーツ」にハイブリッドモデルを追加した。スバルのハイブリッドは「XVハイブリッド」に続く第2弾であり、2.0L水平対向エンジンとモーター内蔵のリニアトロニックCVTを組み合わせたスバル独自のハイブリッドである。

スバル初のハイブリッドは、「XVハイブリッド」
2013年6月、スバル初のハイブリッドモデル「XVハイブリッド」が、2代目「スバルXV」の追加モデルとして発売された。XVは、3代目インプレッサの5ドアハッチバックをクロスオーバーSUVに仕立てたインプレッサの派生車である。

XVハイブリッドは、最高出力107ps(78.7kW) の2.0L水平対向4気筒エンジンにCVTリニアトロニックを組み合わせ、出力10kWのモーターを並列に配置。モーターは、縦置きCVTのケース内にコンパクトに収め、エンジンの出力をアシストするパラレル方式のマイルドHEVである。

モーター出力が小さいので、限られた低速域でのみEV走行が可能だが、中速域ではモーターによるアシスト走行をし、要求トルクに対してエンジントルクが不足する分をモーターでアシストする。その特徴は、燃費向上というよりも、スバルらしく走行性能を重視した“走り志向のハイブリッド”であることだ。

レガシィの弟分としてWRCを席巻したインプレッサ

インプレッサは、「レオーネ」の後継として、また「レガシィ」よりひと回り小さい弟分として1992年にデビューした。ボディタイプは、4ドアセダンと5ドアのスポーツワゴンの2種だが、セダンにはWRCで大活躍したラリーマシンのベースとなった高性能ターボエンジンのWRXが設定された。

エンジンは、すべて水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L DOHCターボ(EJ20型)を筆頭に、1.8L、1.6L、1.5Lの4機種で構成。駆動方式は、もちろんフルタイム4WDである。


2000年8月にインプレッサは、初めてのモデルチェンジで2代目に移行し、初代同様セダンとスポーツワゴンが設定された。一世代でヘッドライトが丸目、涙目、鷹目と変更され、バリエーションを増やして進化を続けた。


2007年6月に3代目に移行。3代目は、初代と2代目に設定されていたスポーツワゴンに代わって、まず5ドアハッチバックを投入。ハッチバックをメインにして、セダンは翌2008年10月に「インプレッサアネシス」を名乗ってデビューした。ハッチバックのボディは、先代より大きく3ナンバーとなり、走行性能と居住性が飛躍的に向上して人気を獲得した。
4代目インプレッサスポーツにハイブリッド登場



その後、インプレッサは2011年11月に4代目へ移行。5ドアハッチバックは「インプレッサスポーツ」、4ドアセダンは「インプレッサG4」と名乗った。セダンのG4は、スタイリッシュでクリーンなデザイン、一方のスポーツは躍動感を感じさせるサイドウインドウラインが特徴である。

そして、2015年7月のこの日、「インプレッサスポーツ・ハイブリッド」が追加された。ハイブリッドは、基本的にはXVハイブリッドと同じく2.0L水平対向エンジンにモーター内蔵のリニアトロニックCVTを組み合わせたシステムで、バッテリーのエネルギーマネジメントを見直すことで、高速領域におけるブレーキエネルギー回生の頻度を向上させた。
ハイブリッドモデルは全車4WDで、燃費向上ともにモーターアシストによる優れた加速の走りを実現。燃費性能は20.4km/L(JC08モード)で、ガソリン車に比べて20%程度の燃費向上が実現された。


その他にも、遮音材や吸音材の追加、専用液体封入エンジンマウントの採用などにより、静粛性、制振性も向上。車両価格は、2グレードで250.56万円/283.52万円、標準車よりも約17万円高額に設定された。
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水平対向エンジンという特別な構造のエンジンのためか、スバルのハイブリッド化は他車よりも遅れていた。XVやインサイトで搭載したのはマイルドハイブリッドなので、燃費改善効果は限定的である。そのため、2024年末には新たに開発したストロングハイブリッドを搭載した「クロストレック」を発売し電動化に本腰を入れ始めた。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
