2025年D1GPシリーズ第4戦は、第3戦の翌日に開催された。天候も引き続き晴れ。コース設定も第3戦と同様。前日に準優勝している広島トヨタ team DROO-PのHT DUNLOP 86(ドライバー:石川隼也)は、クラッチ滑りの兆候が出てきたこともあって、クラッチのみ交換して第4戦に臨む。松川和也が乗る広島トヨタ team DROO-PのHT・DUNLOP・85はフィーリングはよくなっているので仕様変更はなし。URAS RACINGのDUNLOP CUSCO SKYLINE(ドライバー:野村圭市)は、前日までは車両トラブルに悩まされていたが、このラウンドでは対処できていてほぼ不安のない状態で本番に臨む。野村も、前日単走敗退とはいえ、ベースとなるDOSS点は高得点を獲得していたこともあって、仕様変更はない。

朝のチェック走行では松川がコースオフしてフロントバンパーとフェンダーを破損するアクシデントがあったが、ダメージは外装のみで走りに影響するものではなかった。

今回チーム・ドルーピーはファンクラブが作ってくれたというノボリと横断幕をピットに張っていた。

単走決勝本番。まずはAグループで野村が走行した。1本目は1コーナーに向けての飛び込みで大きな角度を見せ、前半はいい走りを見せたが、ヘアピンに向けての振り込みでスピン。2本目は1コーナーからややラインがずれて、ヘアピンではドリフトがもどりぎみになりつつコースアウトしてしまう。2本とも77点台に終わり、追走進出はならなかった。

Cグループでは、チーム・ドルーピーの松川と石川が出走。松川は2本ともゾーン通過が不完全になるなどの減点によって高得点は取れず、単走敗退に終わった。

前半にはいいリズムでしっかり姿勢を作っていた野村だが、審査区間を通してきっちり走り切ることができなかった。

そして前日は単走でも高得点を獲得して3位に入っている石川だが、1コーナーに向けて角度をつけきれず、通過指定ゾーンが不完全になってしまう。95.1点と厳しい点数だ。2本目はストレート前半の通過指定ゾーンもとりきれず、1コーナーに向けては角度をつけたもののドリフトがもどされそうになって通過指定ゾーンを完全にはずしてしまったほか、コーナー後半ではラインをインカットしてしまう。ヘアピンへの振りと角度はよく、DOSSのベース点は98.9とかなりの高得点だったものの、減点が-4入ったことによって結果は94.9点にとどまり、単走敗退となってしまった。

石川は走行後「路面がなんか食ってましたね、昨日と比べて。振り出し一発目のところが異様に食ってまして、そこだけね。一発目のゾーンとJ1区間の振り出しが怖かったし、振り出したあとの1コーナーに入る手前も、アクセル踏んでももどるし。グリップしすぎた感じでした」と話した。

これにより、石川は22位、松川は24位、野村は32位で単走敗退。ダンロップ勢は3人ともノーポイントに終わった。

石川は路面のグリップに悩まされて振り出しや1コーナーへの飛び込みで思うように姿勢が維持できなかった。

単走後、野村は「今日はちょっと技量不足でした。ちょっとトラブルもあったんですけど、それをリカバリーできなかったのが敗因ですね。今回2戦、手応えがあった部分もあるんですけど課題もかなりあるなということがわかりました。特に技術的なものですかね。いいときはいいんですけど、悪いときもあって、波がけっこうあるんで、もうちょっと安定して走れれば、ちょっとのミスをしても次の対策ができて走りきることができるようになると思うんですけど、それができなかったので。

ただ、今回暑い大会で、路温も高かったんですけど、タイヤは熱ダレして滑るとか、そういうこともいっさいなく、フィーリングはずっと安定してました。タイヤはつねに信頼できましたね。

次の大会まで3ヵ月あくので、リベンジまで時間があるのがちょっともどかしいいですけど、しっかりその大会に備えて練習と、今回クルマもトラブルが出ちゃったんで、次は出ないように対策してエビスのラウンドを迎えたいと思います」と語った。

ミスはしてしまったものの、振りの勢いやコーナーでの角度で高得点をとれるようになってきた野村。もう少し精度を上げて上位進出を狙いたい。

チーム・ドルーピーの松岡監督は「今日の石川の不調は原因不明なんだけど、路面温度が60℃だったので、たぶんそれだと思う。昨日と比べたら10℃以上上がってて、どうにも最初きれいにリヤが出せなかったみたい。それによって、タイミングのズレが出ちゃった。そこの狭いセッティングがまだできてなかったから、もうちょっと詰めなきゃいけないなっていうのはある。そこはいい経験になった。

ただ、今回の2連戦に関しては満足してますよ。ホントにDIERZZA β02は最高でした。

次のラウンドまで3ヵ月あるけど、この時期はウチのチームはイベントのデモランで、すごく走るのね。これはドライバーがクルマと仲良くなっていく時間だと思うので、すごいいい時間になると思います。β02の性能ももっと引き出せるようになるだろうし、次はもっと期待してもらっていいと思う」

路面のグリップが高い状況では、まだ少しセッティング改善の余地があるというチーム・ドルーピーの松岡監督。とはいえ満足できる2連戦になったようだ。

第4戦はノーポイントに終わってしまったものの、第3戦ではチーム・ドルーピーの石川が準優勝、URAS RACINGの野村もDUNLOP DIREZZA β02の性能を引き出すことができるようになってきた。

次のラウンドは9月下旬に福島県・エビスサーキットで開催。DUNLOP&石川旋風の続きが楽しみだ!