大型ターボチャージャーとの組み合わせで最高出力600PSも射程範囲!?

自動車業界が電気自動車へと軸足を移す中、一部のブランドは革新的なエンジニアリングと本格的なパフォーマンスへのこだわりで、ひそかに内燃機関エンジンへの注力を強めている。

トヨタが開発中の新型G20Eエンジンは当初、最高出力395PSと噂されていたが、大型ターボチャージャーを装着することで強大なパワーを生み出すポテンシャルを秘めているようだ。

トヨタ G20Eエンジン

メルセデスベンツはパワフルな「M139」型4気筒エンジンを廃止すると報じられているが、トヨタはその穴を埋める準備ができている。同社は新たなエンジンファミリーの開発に取り組んでおり、エンジニアらによると、2.0L「G20E」は最大600PSを発揮する可能性があるという。これは1Lあたり約300PSに相当する。

トヨタの技術責任者は、ドイツ『Auto Motor und Sport』誌のインタビューで、「大型ターボチャージャーを使用すれば、600PS以上は容易に実現可能です。G20Eの標準出力400PSと比べて50%もの大幅な出力向上であり、ハイブリッドシステムなしでも実現可能である」と語ったというから驚きだ。

トヨタ GR ヤリス M コンセプト

トヨタが今後数年以内に発売すると予想される、自然吸気およびターボチャージャー付きの1.5Lと2.0Lエンジンの新ファミリーの一つである「G20E」エンジンは、GRヤリスMコンセプトのリヤに初めて搭載された。このコンセプトカーは、MR2ロードスター復活のテストベッドとして機能するのではないかとの見方も一部で出ているほか、復活が噂されるセリカ後継モデルにも、このエンジンが搭載される可能性が高いとみられている。

おそらく、MR2とセリカの両方に「G20E」が搭載され、6速マニュアルトランスミッションと8速デュアルクラッチトランスミッションが選択可能になると予想される。

たとえ、トヨタがG20Eの600PSバージョンを量産車に搭載しないとしても、アフターマーケットがそれを実現させるのは間違いないだろう。

トヨタを代表するエンジンと言えば、「80スープラ」に搭載された「2JZ-GTE」エンジンだ。この直列6気筒エンジンは、1991年に「アリスト3.0V」でデビュー、比類なき性能を発揮し、今でも伝説となっているが、その伝説を忘れさせてくれそうなエンジンがついに登場するかもしれない。