パッガーニ ゾンダ マイルソン

パガーニの特別なワンオフモデルであるゾンダ マイルソンが製作されたのはなぜだろうか?

信じられないかもしれないが、一部のコレクターにとって、クラシックなパガーニ ゾンダC12やゾンダFを所有するだけでは、もはや満足できないのだという。そこで2012年、パガーニは当時最も奇抜な公道走行可能なゾンダ、760 RSを発売した。

パッガーニ ゾンダ マイルソン

このモデルは、ある裕福なオーナーを大いに満足させ、他のゾンダオーナーたちも次々と自分の車を工場に送り返して改造と近代化を施し、760仕様のモンスターマシンへと作り変えていった。そしてこの時代に生まれた特別過ぎるゾンダがマイルソンだ。

2016年に製造されたゾンダ マイルソンは、かつて中国で73位の富豪に数えられたマイルズ・グオ氏の息子、マイルソン氏のためにオーダーされたもので、その名が付けられた。

2017年と2018年にはロンドンの路上で頻繁に目撃され、現在はドバイのファースト・モーターズのショールームに展示されているという。実際に販売されているかどうかは不明だが、まるで博物館の展示品のように展示されているようだ。

このゾンダ マイルソンの発注主であるグオ氏は、近年では数々の法的問題に直面しているようだ。昨年、10億ドルを超える詐欺事件への関与により起訴され、今年9月に判決が下される予定で、事によれば数十年の懲役刑に直面する可能性があるのだという。

さて、ゾンダ マイルソンだが、760の中でもスペシャル感が強く、ボディ全体が露出したブルーカーボンで覆われている。また、カーボン製のヘッドライトシュラウドを備えるほか、ボディにはメタリックフレークが組み込まれている。

足まわりでは、ブルーのセンターロックが付いたブラックホイールを装着し、ゾンダ・チンクエと同様の象徴的なカーボンルーフスクープとサイドエアインテークを備えている。リヤには、カーボンファイバー製のシャークフィン、つまりブルーに塗装されたエンドプレートを備えた、そびえ立つリヤウイングが備わる。

インテリアにもこのテーマは続く。キャビンは露出したカーボンファイバーで占められているが、パガーニのこだわりはそれだけではない。ステアリングホイール、スピーカーグリル、シートなどの要所要所にブルーのアクセントでコントラストを加え、エクステリアに匹敵する視覚的なドラマチックさをインテリアにもたらしている。

パワートレインは7.3L 自然吸気V12エンジンを搭載、最高出力760psを発揮する。

気になる価格だが、もし市場に出回ることがあれば、1000万ドル(約14億3千万円)をはるかに超える価格で取引されることはほぼ間違いないという。