
ポルシェのタイカン ターボGTは、電気自動車の分野で再びその名を馳せようとしているようだ。中国のシャオミがニュルブルクリンクと上海で速度記録更新を発表したのを受けて、ポルシェは即座に反撃へと動き出した。

ポルシェはレーシングドライバー、パトリック・ロングを擁して、タイカン ターボGTをロード・アトランタに持ち込んだ。その結果、1分27秒15という驚異的なベストラップを樹立。これは、かつてEV記録を保持していたタイカン ターボSを圧倒的な速さで打ち破り、ターボGTの卓越した性能を証明した形だ。
記録挑戦にあたり、ポルシェはオプションのヴァイザッハ・パッケージを装備したタイカン ターボGTを用意している。このパッケージは、リヤシートを取り外し、4ドアセダンを4ドア2シーターに変身させるものだ。また、この車専用に開発された、非常に優れたグリップ力を誇るピレリのP Zero Trofeo RS NF0パフォーマンスタイヤが装着されていた。
1分27秒15のベストラップを記録したターボGTは、ターボSのこれまでの記録である1分33秒88を6.73秒も大幅に更新した。これは、サーキット1周分に相当する。ポルシェによると、このラップはタイヤ空気圧を37psiに設定し、バッテリー充電量を97%にまで下げ、路面の大部分はドライコンディションで記録されたが、一部路面は濡れていたという。
今回の記録は、今年初めに新型2025年型シボレー コルベット ZR1が記録した1分22秒80という市販車ラップレコードには程遠いが、電気自動車がこれに近づくとは誰も予想していなかっただろう。タイカンのタイムは、ポルシェ 911 GT2 RSが2019年に記録した1分24秒88にやや近づいている。また、同じサーキットで1分26秒24のラップタイムを記録した991 GT3 RSをも破る寸前だった。
記録更新後、ドライバーのロング氏は「ステアリングのフィーリング、レスポンス、そしてレスポンスの良さは予想していましたが、アクティブライドサスペンションがピッチング、ロール、そして沈み込みをこれほど強力に抑制するとは予想していませんでした」と感想を述べている。
タイカン ターボGTは今年初め、インテルラゴスでEV速度記録を樹立し、2024年にはウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカと上海国際サーキットでも同様の記録を樹立した。また、ニュルブルクリンク北コースでも記録を保持している。
しかし先日、シャオミのSU7 Ultraが、上海とニュルブルクリンクでタイカンの記録を奪っている。正直、ポルシェはまんまと中国勢にしてやられたことを快く思っていないようで、タイカンの速さを証明しようと躍起になっているようだ。
ポルシェ vs シャオミの最速EV対決は,2026年以降も過熱していきそうだ。















