この大規模なリデザインは「2002オマージュ」コンセプトからインスピレーションを得たと言う。M2-KSはデジタルのみの仕様だが、コーチビルドのスペシャルモデルと見紛うほどの完成度を誇っている。

BMW M2-KS 予想CG

2022年のデビュー以来、BMW M2(G87型)はチューナーたちの需要も高く、様々な外観、シャーシ、そしてパフォーマンスのアップグレードが施されてきた。しかし、これらの改造はどれも、独立系デザイナーのキジル・サリーム氏が手がけたM2-KSのワイルドでドラマチックなスタンスには遠く及ばない。

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2016年に公開された「2002オマージュ」コンセプトは、先代M2をベースにしながらも生産には至らなかったが、そのデザイン理念はこのプロジェクトにも明確に受け継がれている。
主なビジュアル進化としては、一体型のベントを備えたワイドフェンダーと、大きく目立つサイドインテークが挙げられる。これらはM2に、よりアグレッシブでサーキット走行に適した外観が見てとれる。

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フロントエンドでは、新設計されたバンパーとフェンダーが、ヘッドライトの上部を覆い、最小のBMW Mモデルでありながら、よりアグレッシブな印象を与えている。これらは、大型化されたインテークと、改良されたキドニーグリルと一体となり、過激なスプリッターによって強調されている。もうひとつの注目すべき点は、彫刻的なベントフードで、標準モデル特有の膨らみをなくし、よりクリーンでスポーティな外観を実現しているところだろう。

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リヤセクションでは、大型のダックテールスポイラーと超ワイドなリヤフェンダーを装備、力強い印象を与えている。ディフューザーも純正M2よりも大型化され、4本出しのエキゾーストパイプがインストール、迫力あるルックスを演出している。テールライト下の追加のインレットには、スモーク仕上げのアクセントが施され、M2にエキゾチックでハイパフォーマンスな印象だ。バンパー全体の形状とアグレッシブなエアロパーツが、このM2をまさに目を引く存在にしている。

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同デザイナーは、パフォーマンスやシャシーへの変更点について詳細を明かしていないが、このモデルはローダウンサスペンションとワイドトレッドを採用しているようだ。さらに、これらの外観は、サーキット走行に特化したアップグレードに加え、パワーアップの可能性を示唆していると言っていいだろう。

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現在、G87型の最もパワフルな量産モデルはM2 CSで、3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力520ps(390kW)・最大トルク649Nmを発揮する。しかし、マンハートなどのチューナーはM2を最大715psまで引き上げた例もあり、改良の余地が十分に残されていることがわかる。この威圧感なら、700psと言われても妥当と考えられるはずだ。

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最近の同ブランドでは、8シリーズと基盤を共有する「Skytop」や「Speedtop」、あるいは2022年に発売されたM4ベースの「3.0CSL」といった少量生産モデルが話題となっているが、果たしてこの「小さな怪物」は実現するのだろうか、楽しみが尽きない。