No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック (サスペンション可動、パネル開閉/希望小売価格594円・税込)
No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック リヤビュー

ヤマト運輸は、1931年に創業された日本を代表する宅配物流企業で、「クロネコヤマト」の愛称で広く親しまれています。創業以来、宅配サービスのパイオニアとして業界を牽引し、きめ細やかな顧客対応や再配達削減、ルート最適化など、効率的で高品質なサービスを展開してきました。近年では、環境配慮型の「グリーン物流」に注力しており、2030年までに電気自動車(EV)を2万台導入、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目標に掲げています。

三菱ふそう e Canter のバッテリーとモーター配置の例。薄いグレーの部分がバッテリー、青い部分が車軸と一体化されたモーター。(Photo:三菱ふそう)

この「グリーン物流」の主役となるのがEVトラックです。EVトラックとは、内燃機関の代わりにバッテリーとモーターで走行する商用車であり、走行時に二酸化炭素(CO₂)や窒素酸化物(Nox)を排出しないのが最大の特長です。騒音が少なく、加速がスムーズで、住宅街や深夜・早朝の配送にも適している点が評価され、環境負荷の軽減だけでなく、ドライバーの快適性や作業効率の向上にも寄与します。航続距離や充電時間、車両価格といった課題もありますが、技術の進歩や補助制度の拡充により、物流現場への導入が着実に進みつつあります。

三菱ふそう e Canter ヤマト運輸仕様 フロントビュー(Photo:ヤマトホールディングス)*『トミカ』のモデル車両ではありません。
三菱ふそう e Canter リヤビュー(Photo:三菱ふそう)*『トミカ』のモデル車両ではありません。

現在、代表的なEVトラックには、三菱ふそうの小型EVトラックのe Canterがあります。最大積載量2トン級のこの車両は、最高出力110kW、最大トルク430Nmを発揮し、都市部のラストワンマイル配送に特化した設計となっています。冷凍・冷蔵機能を含む3温度帯対応や静音性にも優れており、大手物流企業を中心に導入が進んでいます。

日野デュトロ Z EV ヤマト運輸仕様 フロントビュー(Photo:日野自動車)*『トミカ』のモデル車両ではありません。
日野デュトロ Z EV ヤマト運輸仕様 リヤビュー(Photo:日野自動車)*『トミカ』のモデル車両ではありません。

また、日野自動車の日野デュトロ Z EVも注目のモデルで、こちらは短距離・小口配送に最適化された設計がなされており、軽量かつコンパクトなボディと高い取り回し性能が評価されています。さらに、いすゞのエルフEVなども市場に登場しており、商用EVの選択肢は着実に広がりつつあります。

さて、ヤマト運輸では、こうした潮流を先取りするかたちで、2020年から本格的にEVトラックの導入を展開してきました。ドイツのメーカーと共同開発した小型商用EVトラックを2020年1月から首都圏を中心に500台を順次導入。この車両は、荷室の地上高を低く抑えて宅配業務に特化した設計が施され、ドライバーの負担軽減に寄与しました。さらに、2020年にはいすゞ製のエルフEVウォークスルーバンのモニター運用も開始し、将来的な中型EV導入に向けた実証実験を進めています。

2022年には、国の『グリーンイノベーション基金』による支援を受け、群馬県内でEV車両の本格運用とエネルギーマネジメントに関する実証実験を開始。再生可能エネルギーを活用した充電や、物流拠点における電力の最適管理など、次世代型のインフラ構築を視野に入れた取り組みが行なわれました。また、同年には日野自動車と連携し、電動車両の活用に向けた共同開発や検証も進められています。

三菱ふそう e Canterの運転席まわり。見やすさと操作のしやすさが追求されている。(Photo:三菱ふそう)
三菱ふそう e Canterのインテリア。ドライバーを疲れさせない様々な工夫が盛り込まれている。(Photo:三菱ふそう)

そして2023年、ヤマト運輸は三菱ふそう製の新型e Canterを約900台導入し、全国規模での本格運用を開始しました。E Canterは、航続距離約116km、バッテリー容量41kWhを持ち、都市部での集配業務に最適な仕様となっています。冷蔵・冷凍対応荷室や、後方に設置された充電ポートなど、現場ニーズに即した設計が特徴です。加えて、一部の営業所では、再生可能エネルギー電力によるEV充電や、エネルギーマネジメントとの連携も進められており、車両単体にとどまらない持続可能な運用モデルの構築が進行中です。

三菱ふそう e Canter最大の特徴が、モーターと車軸が一体化された独自のパワートレーン、『eアクスル』だ。(Photo:三菱ふそう)

このようにヤマト運輸は、2020年の小型EV導入から始まり、中型EVの技術検証、そして2023年以降の本格的な全国展開に至るまで、段階的かつ着実に電動化を進めてきています。車両の性能だけでなく、エネルギー運用やインフラ整備を含む包括的な視点でEV導入を進めており、物流業界における脱炭素化の先駆的なモデルとして、今後も大きな注目を集める存在であり続けることでしょう。

さて、2025年7月の第3土曜日に、それまでの『No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)』に代わって登場した『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』は、その名の通り、ヤマト運輸が導入しているEV集配トラックをモデル化しています。

ヤマト運輸の導入しているEV集配トラックには軽自動車から小型貨物車まで様々な車両がありますが、この『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』は、荷室部分の配色とデザインを見る限り、どうやら2023年9月から順次導入されている、三菱ふそうトラック・バス株式会社が開発した電気小型トラック『e Canter』の新型モデルをイメージしているものと思われます。

実はこの『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』のモデル車両はどこの自動車メーカーの車両でもなく、『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』に使用されている『トミカ』のオリジナル・デザイン。(PHOTO:MotorFan)*画像は編集部で一部加工してあります。
『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』(現行9種類 / 各2640円・税込)*画像は『tomicaトランスポーター ホンダNSX Type R』 (PHOTO:MotorFan)

と言うのも、実は『トミカ』の『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』は特定の自動車メーカーの車両をモデル化したものではなく、どこのメーカーのトラックのようでもあり、どこのメーカーのトラックでもない、『トミカ』オリジナル・デザインのトラックになっているからです。強いてモデル車両と言うと、『トミカ』のお兄さんとも言える『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』(各2640円・税込)にラインアップされているオリジナル・デザインのトランスポーター・トラックになります。特定の実在モデル車両に縛られない分、『トミカ』の展開の自由度が高まることが期待されています。

パネルドアの開閉など遊びどころもあり、先進的なイメージの『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』を、あなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?

■三菱ふそうe Canterヤマト運輸導入モデル(ZAB-FEAVKB2CS00B9 主要諸元(『トミカ』のモデル車両と同一ではありません)

全長×全幅×全高(mm):5390×1910×3120

ホイールベース(mm):2500

トレッド(前/後・mm) :1390/1665

車両重量(kg):3610

モーター最高出力:110kW(150ps)/2443rpm

モーター最大トルク:430Nm(43.8kgm)/0-2443rpm

最高速度:89km/h

航続距離/1充電:116km(国土交通省審査値)

充電時間(急速充電/CHAdeMO方式(50kW/70kW)):約50分/約40分(0→90%)

充電時間(普通充電/6kW):8時間(0→100%)

トランスミッション:電気式CVT

サスペンション(前/後) :インディペンデント/リジッド

ブレーキ(前後) :ディスク

タイヤ:(前後) : 205/70R17.5

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.47 日産 ノート オーラ (サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年7月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)』に代わって『No.48 ヤマト運輸 EV集配トラック』が登場します。また、それまでの『No.47 EQS バイ メルセデス-EQ』に代わって『No.47 日産 ノート オーラ』が登場します。『No.47 日産 ノート オーラ』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.47 日産 ノート オーラ (初回特別仕様) (サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。